2013年 08月 30日
いかにも退廃的だけど。『オン・ザ・ロード』8月30日公開。父の死後、パっとしない日々を送るサル。そんな彼とは正反対の自由奔放なディーンに出会ったことで、サルの毎日は一変する。妻子がありながらなりゆきまかせにドラッグやセックスに手を出すディーンに連れられ、サルはニューヨークを飛び出す。そこには観たことのない世界が広がっていた。 映画『オン・ザ・ロード』公式サイト ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』の映画化だけど原作読んでませんので、純粋に映画としての感想。なんとなくイメージされた、自由を謳歌し、セックス/ドラッグ/ロックンロールなイメージ通りな印象。これというドラマやストーリーがあるわけじゃなく、意味とか特にない若者たちの衝動が焼き付けられてる感じ。なのでストーリーを追っても、なにも残るわけじゃないタイプの1本。 多分大事なのは時代の空気感で、60年代の混沌としていく時代なんでしょう。原作は1957年で、ビートジェネレーションの代表作と言われるもの。規範にとらわれタブーの多かった50年代へのカウンターってことだけど、戦後の世界が確立されていく過程だったのかな。いろいろな価値観が変わり始め、大量生産の時代、大衆の時代がやってくる手前。ケネディがまだ生きていて、隣ではきっとウォーホルとかが出始める頃で、そう考えるといろんな余韻が湧いてきそうなもんだな。もちろんその時代に明るいわけじゃないんだけど。 いわゆる自分探しという面から観ても面白い面はある。奔放に生きたディーンではあるけれど、その末路は哀しい結末でもある。サルはサルで束の間の解放の後に、結局は自分の世界に帰っていき、そしてその在りし日は小説に姿を変えて現代の僕たちがその息づかいを感じたりもする。 とかなんとか言ってみたけれど、そんなに面白い映画でもなく、どちらかといえば退屈したというのが本音です。この映画一本でなにか心震わせるものがあったかというと、なかったなという感じ。それが原作の空気感であり、狙いなんでしょうけどね。今観る理由は見出しにくかったです。
by april_cinema
| 2013-08-30 00:00
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