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2014年 01月 11日
感想_ソウルガールズ
感想_ソウルガールズ_b0130850_1153594.gif歌はいいんだけどねー。『ソウルガールズ』1月11日公開。幼い頃から一緒に歌ってきたゲイル、ジュリー、シンシアの三姉妹は、街のタレントコンテストに出場するも、アボリジニであるというだけで白人たちから差別されていた。しかし司会者のデイヴはその才能に目をつけ、彼女たちはベトナム戦争での米軍慰安ショーのオーディションに望むことに。デイヴは、彼女たちにソウルミュージックを歌うことを提案し、従姉妹のケイも加わったサファイアズは見事オーディションを勝ち抜く!
映画『ソウルガールズ』公式サイト

ガールズコーラスムービーで、実話ベースだそう。だけどこれどこまで実話なのかしらね。サファイアズメンバーのひとりの息子が、母親の過去の話を舞台用脚本にしたのが始まりってことだけど。サクセスストーリーとして気持ちよく、ソウルのヒットナンバー満載、ガールズたちが腰をふりふりで盛り上がるのは間違いないです。

だけどストーリーは弱いと言わざるをえないか。全部が実話だったとしても、キャラクターの描写が甘く、アボリジニであるルーツとの葛藤と、失った物を取り戻すソウルミュージックの核が、うまく融合しているとはいいがたい。前フリがあるわりには、色が薄いため白人社会に生きたケイのエピソードも決着しないし、結局サファイアズは自分たちのルーツや、実際の社会とどう向き合ったのかが描き込まれないから、置いてかれた感は否めないか。なのに恋愛要素を中途半端に放り込むもんだから、なんだかよくわからないことに。

いちばん厳しかったのはベトナム戦争の扱い方か。戦地でこそ気づかされたこととか、彼女たちの人生への影響とかいろいろありそうなもんだけど、そのあたりはあまり掘り下げられることなく、ただ盛り上がり、ただ危険な目にあって、という薄っぺらな印象。デイヴが酒に溺れるってのもあまりにお気楽なエピソードに見えてしまいましたな。

細かいところに目をつむれば楽しいミュージック映画。ストーリーは期待しない方がいいと思います。

by april_cinema | 2014-01-11 00:00 | Starter


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