2014年 02月 08日
とらえどころがないゆえに。『ニシノユキヒコの恋と冒険』2月8日公開。女性が望むことがなんとなくわかってしまうニシノユキヒコは、モテてモテて仕方がないけど、なかなか長続きがしない。しかしそんな彼も事故によって亡くなってしまった。生前の彼を知る女性が、彼をとりまいたあまたの女性たちとの恋の悲喜こもごもを語り始める。川上弘美原作、井口奈己監督の異色のラブファンタジー! 映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』公式サイト 『人セク』が好きすぎる井口監督の待望の新作! いやー持ち味を存分に発揮しておられましたよ。一応、前提はファンタジーなんだけど、究極のモテ男ニシノと美女たちとの掛け合いを、今回も覗き見るかのように親密に描いてくださいました。カメラを固定するときは真正面から。手持ちのときはより親密に。主観と客観が入り交じりながらのリアリティは、アドリブもたっぷりと聞いております。これアドリブかな?なんて想像しながら観るのも楽しいですぜ。 その中身を見ると、大人なムードたっぷりの麻生久美子に、ニャンニャンな感じが素に見える本田翼ちゃん、お堅いからこそイジらしい尾野真千子たんに、小悪魔成海璃子っち&優等生萌え木村文乃っち。で、新鋭中村ゆりかちゃんも初めましてだったけどカワイイ! いやーキャスト観てるだけで楽しいわ。竹野内さんもこのモテっぷりを嫌み無く演っててスゴイ。てか体鍛えてるんだなー。淑女のみなさん向けのサービスカットありますんでお楽しみに。 さて。この男女の恋模様で描かれているものとはなんなのか。それは誰もが抱えている淋しさなのかなーと最初に思ったな。女性陣はみんなそのキャラクターなりの淋しさを持っていて、ニシノはいつもそれに気付いて、それに相応しいやり方でその淋しさを埋めてくれる。寄り添ったり、けしかけたり、甘えたり。だけど、淋しさってのは一度埋めてもまたどこかで別の淋しさが生まれるようにできていて、人間て不便だなーと思うのだよね。ナウと名付けられたネコちゃんはそれとの暗喩的対比かもね。「ナウ」って名前が象徴的かも。過去と未来があるから人間は淋しくなる。今だけなら、淋しさを知らずにいられるのかもしれない。そしてこれ、女性たちだけじゃなくて、ニシノ自身が抱える淋しさでもあるんだよね。これだけモテても満たされないなにか。受け止めてもらえないなにか。 女性陣のキャラクターはバラバラだったけど、全員まとめてひとりの女性のような気もしたかな。強がったりするのも、甘えるのも、ツンデレしちゃうのも、みんなひとりの女性の姿。あーこのあたりは男女によって、年齢によって、てか観る人によって感じ方が全然違いそう。いろんな感想聞いてみたい。とらえどころがないゆえに、面白さが広がって行く感じ。来週、監督のトークイベント行くからそのあたり聞いてみようかしら。楽しみ!
by april_cinema
| 2014-02-08 00:00
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