2014年 05月 24日
感想_ディス/コネクト
b0130850_0193375.gifプチ『クラッシュ』風。『ディス/コネクト』5月24日公開。友達のいない音楽少年ベンは、同じ学校のジェイソンとフライによるFacebookでのいたずらが原因で自殺未遂を起こし、意識不明に。ベンの父、弁護士のリッチはなぜ息子がそんなことになったのか、必死にパソコンから情報を探す。そんなことが起きてるそばでジェイソンの父親は、元ネット犯罪課の刑事。舞い込んで来た依頼は、赤ん坊を亡くした夫婦からだった。妻は哀しみを癒すために入り浸っていたチャットが原因で、個人情報を盗まれ全財産を失ったのだった。時を同じくして、リッチは担当するテレビ局から呼び出される。女性キャスターが、違法ポルノサイトで働く少年をインタビューしたことがきっかけだった。人々はネットでつながりを求める。その結果、得たものとは…。
映画『ディス/コネクト』5.24[SAT]新宿バルト9他にてROADSHOW

観てまず思い出したのは『クラッシュ』。あの感じの群像劇スタイルの物語でした。切り口はネットによるつながり。Facebook、チャット、ポルノサイト。ネット経由での無数のやり取りの向こうにある、さまざまなドラマを同時多発的に巻き起こしつつ、最終的な落としどころは、生身のつながり。ネットを悪者に仕立てるわけじゃないけど、相対的に危険性が強調されていることは否めないかな。

よく出来てはいると思うのだけど、ちょっと既視感がある気もするんだよな。ひとつひとつのエピソードに、やや意外性がなくて。ベンの自殺未遂があぶり出すのは、親子や家族の関係性。だけど、リッチは確かに仕事人間なんだろうけど、家庭をないがしろにしているとまでは思えなかったな。お姉さんは普通に育ってたわけだし。一方のジェイソンと父の関係は、まあ父子家庭の難しさなんだろうなぁ。むしろ、ジェイソンとグルのフライのほうが悪ガキっぽかったぜ。あいつ、取り締まったほうがいいんじゃねーか?

子供を失って以来関係が冷えきった夫婦の話は『ラビットホール』が記憶に新しいね。あれが名作だっただけに、ちょっとエピソードとして弱く感じてしまったのと、旦那さんちょっと怖いよね。彼は軍にいたことから日常にフラストレーションを感じていて、それは『ハートロッカー』に描かれてた部分とリンクする。夫婦の問題とは別の問題があると感じました。児童ポルノのほうはちょっとよくわからなかったかな。女性レポーターはなにがしたかったんだろうか…。

つまるところ、ネット経由の「接続」と、生身の「つながり」を対比させたつくりで、言いたいことはネットによるディスコミュニケーションによって、人々の断絶が起こっているということでもあるし、一方でそのネットによって救われている人もたくさんいるというパラドックスのようなもの。児童ポルノの彼らは、ネットがなければもっと危険なことをしでかすのではないか。それを楽しんでいる人たちももっとおかしなことに手を出すかもしれない。チャットがなかったらあの奥さんは心のバランスを失っていたかもしれない。SNSは確かにベンを傷つけたけど、悪意がなければそうはならなかったし、ジェシカが実在していたら彼は幸せだったかもしれない。

全部たらればだけど、罪はネットにあるのではなくて、結局、全部生身の僕たちしだいってことだろうな。いったい何とつながりたいのか。何を求めているのか。それを見失ったとき、悲劇が起きるんだと思いました。ただそのあたりの結論は映画として出してなく、実は救いのない物語だと思ったことが、ノリきれなかった要因。面白くないわけじゃなかったのだけど。
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by april_cinema | 2014-05-24 00:00 | Starter


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