2014年 06月 13日
リアルだけどリアリティねーなー。『ノア 約束の舟』6月13日公開。ノアは恐ろしい夢を見る。それは、堕落した人間を滅ぼし、新しい世界を作るため大洪水を起こすという神のお告げ。ノアはみずからの使命を知り、大洪水に備えて巨大な方舟を作り始め、そこに動物たちをひとつがいずつ入れる。しかし、父の代からの仇敵トバル・カインがその動きを知り、舟を奪うべく侵略してくる。そんな中、いよいよ嵐が始まる。あの、ノアの方舟のエピソードを壮大なスケールで完全実写化! 映画『ノア 約束の舟』公式サイト あの聖書の話をいったいどうやって…と思ってたのだけど、かなりマジでそのまんま作られてて驚いたなー。聖書はもちろんいろんな資料から探って作られた方舟は、思いきり直方体かつ、3階建て構造。別にどこかを目指すのではなく単に漂流することだけが目的だからそれでよかったんだって。その装飾性のない無骨さがリアルっちゃリアルだったかな。で、世界中の動物を入れるだけあってデカイんだわ。確かに、改めてちゃんと考えたらそのスケールになるのも当たり前なんだけど。それ以外にも、リアリティにはけっこうこだわっていて、動物は危機を察してなのか自分たちでみずから方舟に収まりにきてたり、長い漂流の間は薬で眠らせていたり。リアルっつーのかわかんないけど、素朴な疑問に対してちゃんと回答しているところが面白かったかな。 でまあ、話のほうなんだけど、いくつかの大きなテーマが投げかけられておりました。まずは、人間の罪ね。争い、奪い合う、その姿が思いきり露骨に描かれていて、でもそれは現代の紛争だらけの世界を見るとまったく変わってない姿であり、神の怒りもそりゃー避けられないよねという感じ。そして、ノアの個人的な葛藤は見応えあり。すべての人が滅びる中、自分と家族だけがそこから逃れるという罪悪感と、凄まじいまでの覚悟。助けようと思えば助けられる人もいたであろうに、それを振り切る意思についてなんて、確かに考えたことなかった。新世界に辿り着いた後に酒に溺れるエピソードがあったなんて知らなかったけど、さもありなん、だね。 そしてそこと対比するかのように描かれる命の尊さと、親から子へと受け継がれるものについて。生と死を対比的に描くことで、その価値をあらためて再認識させる意図があったように感じました。そして、その奇跡は世代を超えていくべきものというのも、普遍の価値を改めて。キャストたちもいい感じだったね。不器用で強く孤独な男をラッセル・クロウ。それを支える聖母のような存在にジェニファー・コネリー。このふたりはビューティフルマインドでも一緒だったんだね。昔のことで全然憶えてなかった。養女はエマ・ワトソン。おでこ広いね。次男は、エマと共演してた『ウォールフラワー』の彼。ナード感全然なくて同一人物と気付かなかったよ。などなど。 誰でも知っている話なので、目新しさはないのと、スペクタクルしまくりつつのヒューマン、大きすぎるテーマとあって、なかなか消化するのが難しかったのも本当。かなり体力を消耗する作品と言えるのではないかと思いました。
by april_cinema
| 2014-06-13 00:00
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