2015年 03月 28日
感想_カフェ・ド・フロール
b0130850_11164110.gifトリッキーにして巧み! 『カフェ・ド・フロール』3月28日公開。2年前に、妻キャロルと別れたアントワーヌ。若くして結婚し、2人の娘をもうけた彼らはお互いこそ運命の相手だと信じていたが、アントワーヌはローズという女性に運命的に惹かれてしまったのだった。アントワーヌとローズは順調に愛をはぐくむが、キャロルはまだアントワーヌを忘れられず、いつも同じ夢にうなされる。その夢には、1969年パリ、シングルマザーとダウン症の息子が出てくるのだった。
映画『カフェ・ド・フロール』公式サイト

僕の2014ベストだった『ダラス・バイヤーズ・クラブ』のジャン・マルク=ヴァレ監督の、2013年の作品が公開と聞いて、これはきっといい作品に違いないと飛びついたら、やっぱりいい作品だった! 最初は、現在と1969年の物語がどう交差するのかちょっとわからず、少しトリッキーなシャフリングもあって混乱したんだけど、いやいやどうしてそれは見事に回収されるのでした。これはシネフィルの方々はぜひチェックしたほうがいい佳作!

人物相関でいえば、浮気して妻を捨てた男と、それに傷ついた女の話だから、悪いのはアントワーヌとローズだろうって話なんだけど、ことはそんなに単純じゃない。運命のソウルメイトは存在するのか。それに対して抗うことはできるのか。普通の人が撮ったらこれ、ほんと凡庸でどうでもいい話になりそうなのに、そうはさせなかったのすごいわ。アントワーヌとキャロルの相性が抜群だったことをさりげなく印象付けながら、でもローズとの関係も単なる出来心ではないことを明示する。彼らの出会いはあまりにも運命的ゆえに皮肉でもあり、三角関係をものすごく複雑に見せる。キャロルの苦悩はいかばかりか。悪夢を見るのも仕方ない。

そしてその悪夢世界もまたすごい。これは現実に起きたことなのか、あくまで夢の中なのか。オカルトの領域だけど、それをメインのお話と完璧に融合させててしてやられたわ。シングルマザーのジャクリーヌが育てるダウン症の息子ローラン。そしてローランと異常なまでの結びつきを見せる同じダウン症を持つ少女ヴェラ。微笑ましい子供達のお遊びだったはずが、やがてジャクリーヌを困惑させ、そしてそれはキャロルに思いもよらない真実をつきつけるという。ラストは、悲劇になるかと一瞬身構えたけど、お見事な着地でした。ホ。

本当のところはわからない。アントワーヌとローズの未来がどうなっているかも、生まれ変わりが起こりうるのかも、ソウルメイトが存在するのかどうかも。あとを引く余韻もすごいわ。2時間の長さを感じさせず、この時点で『DBC』の成功は約束されてたんだね。新作の『Wild』(夏公開予定?)も超〜楽しみ!
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by april_cinema | 2015-03-28 00:00 | All-Star


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