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2015年 05月 16日
感想_駆込み女と駆出し男
感想_駆込み女と駆出し男_b0130850_1238634.gifへぇ〜度高め。『駆込み女と駆出し男』5月16日公開。江戸時代後期、離婚を望む女たちの駆込み寺だった、鎌倉の東慶寺。夫の放蕩に嫌気がさした、じょご。そして豪商のめかけだったお鈴が、今日も東慶寺へと駆け込んできた。そこに居合わせたのが、柏屋源平の甥っ子で、駆け出しの医者の進次郎。今も昔も変わらない、訳ありな男と女の物語、始まり始まり。
『駆込み女と駆出し男』2015年5月16日(土) 全国ロードショー

これはこれは、なかなか面白かったです。時代劇だけど、訳あり男女の物語というところで現代性あり、古典トリビアあり、でもって役者の見せ場もたっぷりかつ、知的エンタメっぽいところもありという感じですね。冒頭、ちょっと世界観を頭に入れるのに時間がかかったというか、やはり台詞回しが古典系なのでちょっとなじまなかったけど、それに慣れてきたらだんだんと物語に入っていけました。ホームページで概要みとくくらいの予習をしといたほうが入りやすいのかもしれない。

そもそも、東慶寺に駆け込んで2年間尼さんとして務めたら離縁成立っていう制度がおもしろいし、実際そこに駆け込む女性がたくさんいたというのもおもしろい。この話の中ではメイン2人とサブ2人の女性が取り上げられてたけど、まあほかにもいろんなドラマがあったんでしょうな。そして東慶寺の中の女性たちも、結局は俗世が忘れられずに若い男の匂いにムラムラしちゃったりするあたりもリアルなのかな。ちょっと男性監督目線入ってる気がして、女性はどう思うんだろう?なんて思ったりもしたけれど。で、進次郎が頼もしく見えつつも、最後にはじょごのほうがよっぽど男らしかったりするのは現代性を反映させたんですかね。身につまされつつ拝見しましたわ。

いやしかし時代劇かつ古典セリフということもあって、役者力を存分に感じましたね。まずは満島ひかり。出番がそこまで多いわけじゃないけど、冒頭で一気に存在感出まくりオーラ。この人は完全に本物。今後ますますすごいことになるわ。蒼井優たんと対決してほしいです。そしてベテラン陣ね。堤さん、樹木希林、中村嘉葎雄さんにキムラ緑子などなど、さすがすぎて。そこにひょっこり入れちゃう大泉さんも実力者だよなぁと改めて。戸田恵梨香たんは、どうしてもこの中だと見劣りしてしまったわ。ヒロインだけにちょっと残念。武田真治とか、麿赤児さんとか、山崎努さんとか、脇を固める面々もカンペキね。内山理名はもはや誰だかわからなかったね。

なにげなく馬琴の里見八犬伝とか、江戸トリビアと、素晴らしいとか素敵とかの言葉あそびも散りばめられてて、古典エンタメの様相も。強いて言うならば2時間半はちと長かったなぁと思ったけど、全体楽しませていただきやした。なじみある鎌倉の東慶寺がそんな由緒をお持ちとは。今じゃ写経とか座禅体験とかギャラリーショップとかでにぎわってますが、それは電通さんがブレーンとして入っているんだそうですよ。

by april_cinema | 2015-05-16 00:00 | Starter


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