2014年 06月 20日
小説でいいかな。『サード・パーソン』6月20日公開。パリのホテルで執筆にはげむ初老の小説家。別のフロアには愛人が部屋を取っている。ローマでは、イタリア嫌いのアメリカ人が、ミステリアスな女と出会い、自分の子供の話を互いにする。ニューヨーク、ある事件で子供を夫に取られた女。失意のまま、精神鑑定の日にも遅刻をしてしまう。3つの物語が交錯した先にたどりつく真実とは。 映画『サード・パーソン』2015年1月6日(火)ブルーレイ&DVDリリース! ポール・ハギスらしい、複数の物語を平行に描いて最後にひとつにするお得意な感じにまんまとしてやられたかな、と。ところどころにおや?と思わせるヒントはあったんだけどね、その仕掛けに気づいたのは残り30分くらいだったなー。やれやれ。でもま、種明かしがあってからは、おおおなるほどね〜とすっきり。 がしかし、長かったね。小説家と愛人のくだりは、もにょもにょしててお互いがどう思ってるのかはさっぱりわからなかったし、イタリアの話もなかなか進まなくてもやもや。もしやこの女、インターポールとかでこの男をマークしてたのか?とか思っちゃったわ(全然違いすぎた)。そしてニューヨークはミラ・クニスの出番がなかなかなくてそれはそれで、もっと出してよ!とか思ったり。 で、結局のところすべては小説家の後悔の念から来ていましたと。出版社の人間が言っていた、「人生の言い訳ばかり」ってのはつまるところそういうことだったのね。合間合間に出てくるwatch meの謎も解け、どうしてパリにいるはずおこやつらとNYのミラクニスが?の謎も解けてと。「白」についても気づいていないものがあったんだろうなー。あと、水にケータイやら時計を落とすってのは、そういうメタファーだったわけか。 で、最終的に思ったのは確かによくできた脚本だったけど、もっと短くできるだろうし、映画的なカタルシスには欠けていたのかなーと。そして、いちばんは、終わって小説家の気持ちはまあわかるけれど、「で、なにか?」っていうくらい個人的なレベルの話だったことは否めないのではないかと。普遍的な何かが落とし込まれてたらもっとすごい衝撃が降ってきたような気がするんだけどね。親子の関係とか、もう少し掘り下げられたような気もしますわ。ということで、これは小説を読むほうがより深く世界に入り込めたんじゃないかと思います。 サード・パーソンて、三人称って意味なんですね。ひとつ勉強になりました。
by april_cinema
| 2014-06-20 00:00
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