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2015年 08月 29日
感想_ロマンス
感想_ロマンス_b0130850_1294361.jpg大島優子かわええ。『ロマンス』8月29日公開。ロマンスカーの車内販売をする鉢子は、乗客の万引きを目撃し、駅に突き出す。しかし映画プロデューサーを名乗るその男は、鉢子の持っていた母親からの手紙を盗み見、母親を探しに行こうと提案。わけもわからないままその男に連れられて、子供の頃の思い出の地である箱根をめぐることになった鉢子。父と離婚してからというもの、自分を見失ったような母への嫌悪と、今の自分への苛立ちを抱えながら、1日の小さな小さな冒険がはじまる。
映画『ロマンス』公式サイト

タナダユキ監督らしい、女の子の等身大目線が詰め込まれた、フツーの哀愁漂わせた1本。大きな世界じゃなく、ひとりの存在にフォーカスしながら、その小ささの中に普遍とリアルをのぞきこむような感じです。てゆーか、ほんとかなり普通ですね。普通の中のあるあるを、「私のことかも」って思わせる雰囲気。僕個人にはあまり刺さらないのですが、昨今多いゆるふわな女子の自分探しモノとは一線を画していて、地に足はついてると思います。

大島優子ってかわいいよね、って思ってたけどやっぱりかわいかったですわ。車内販売ガールの制服萌えもあったし、万引き追っかけダッシュもおっさん的にはかわいいし、桜庭のやることを冷ややかに見るツン顔もよかったわ。できの悪い久保ちゃんにしっかり突っ込むシーンはファニーでよかったです。

本当は、死ぬつもりだったのは桜庭だったんだろーなーと思います。借金で首が回らず、思いつきで飛び出して、もうどうにでもなれって思っての小さな万引き。その小さな死の匂いが、鉢子の抱える小さなほころびと共鳴してのプチトリップにつながったんだと思います。この小さなほころびは、誰にだって必ずあるもので、普段は口に出すようなものじゃないけれど、どこかで吐き出さないといけないときもある。旅立ちの日は、そんなに大袈裟なものじゃなくて、普通の毎日のどこかにも潜んでいるし、出会いと別れはいつだって繰り返されている。

見終わっても大して何かが変わるわけでもないし、ガンバロウって背中を押されるほどのこともない。だけど、まあそんなこともあるよね、って今の自分を軽く受け流させてくれるくらいのゆるやかな風は吹くような気がします。1600km歩くのに比べたら断然小さな冒険です。箱根、火山の影響大変そうだけど、まともに観光したことないから今度行ってみたいなーとも思いました。もちろん、ロマンスカーに乗ってね! ちなみにスチールのフォトグラファーは川島小鳥さんです。

by april_cinema | 2015-08-29 00:00 | Starter


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