2008年 06月 21日
母を訪ねて音の鳴る方へ。『奇跡のシンフォニー』6月21日公開。養護施設で育ったエヴァンは、世の中のあらゆる音に耳を澄ましていた。彼の中には生まれつき音があふれ、音楽こそが彼を導くと感じていた。まだ見ぬ両親の元へと。ついにエヴァンは施設を抜け出し、行く先々で音楽の才能を開かせていく。自分が奏でる音が、どこかにいる両親の元に届くことを信じて。 『奇跡のシンフォニー』2008年6月21日(土)日比谷スカラ座ほか全国ロードショー 安心して観てられる王道感動協奏曲。フレディ君演じる音楽の神童×母探しっていう組み合わせは、新鮮さはさほどないとしても見映えはいいと思う。チェロ奏者のケリー・ラッセル×バンドマンのジョナサン・リース・マイヤーズってのも収まりいいしさ。展開は予定ハーモニーな感じが多分にあるけど、エンターテインメントだし別に目くじら立てるようなことじゃないかな。全体感はけっこういいと思うんだわ。 なんだけど、この映画の核心を担う、肝心要の音楽がしっくり来ず! 展開的にかなりの盛り上がりを期待させつつ、実際にさあここで来るぞ!って感じの音が流れかけるんだけど、それが爆発しないの。え、こんなもん? みたいな。入りはいいんだけど、"音の見せ方"が物足りないのよ。せっかくエヴァンが常軌を逸した才能を持ち、それを表現しているのに、映像のインパクトが不足がち。これじゃ音楽の良さも、エヴァンの才能も見殺しだよねー。『4分間のピアニスト』とか『ミルコのひかり』とか、直近でも視覚的な音を見事に表現した映像がたくさんあるだけに、もったいないなー。 もちろん、音楽なんて個人の好みだからなんともいえないけど、悪い映画じゃないだけに残念な気持ちが。ジョナサン・リース・マイヤーズのパフォーマンス&楽曲は良かったね。さすがダブリン生まれ。アイリッシュつーか、UKっぽい匂いがたっぷりでった。
by april_cinema
| 2008-06-21 00:22
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