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2008年 05月 25日
感想_リプリー
感想_リプリー_b0130850_2325897.jpgA.ミンゲラ追悼レビュー3。『リプリー』DVD鑑賞。小さな誤解をきっかけに富豪のグリーンリーフに声をかけられたトム・リプリーは、放蕩息子のディッキーを連れ戻すことを頼まれ、イタリアに渡る。ディッキーは太陽のような男。美貌と、財産と、美しいフィアンセを持つ彼にリプリーは魅せられていく。しかし小さな諍いからディッキーを殺してしまったリプリー。彼はディッキーに成り済まし、姿を消すが…。

なんともいえない負のスパイラル系サスペンス。キャストたちがとにかくいいわ。ジュード・ロウはこれ以上ないくらいのイタリアオヤジ(設定は青年だろーけどね)になりきってて、『LEON』のネタ元ってこれなのでは? と思うほど。対するマット・デイモンもヒトマネだけが特技という、いかにもコンプレックスを抱えてそうな冴えない男をうまいこと演じてて、2人を観てるだけでも2時間半楽しめるわ。

話の筋はかなりもやもやする感じだけに、すっきりと心は晴れず、でもああいう劣等感というか、魔が差す感じはわからないでもないなぁ、と。最後、船底で心の地下室に押し込められていく演出は心憎いばかり。奈落に突き落とされてジ・エンドですものね。あー暗い、暗い。

ミンゲラはこういう、なんともいえない運命の皮肉みたいなものを人間味たっぷりに描き出す人でした。もっといろんな作品を観たかったというのが今の気持ち。ご冥福をお祈りします。

by april_cinema | 2008-05-25 00:00 | Starter


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