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2006年 10月 22日
感想_麦の穂をゆらす風
感想_麦の穂をゆらす風_b0130850_0103256.jpgカンヌでパルムドール穫りました。『麦の穂を揺らす風』11月18日公開。1920年アイルランド。独立闘争に揺れ動くある兄弟の生き様を描く。カンヌじゃスタンディングオベーションだったらしいデス。
ケン・ローチ監督作「麦の穂をゆらす風」公式サイト

アイルランドに関する知識がないせいか、最初は時代背景が掴めなくて取っ付きづらい。話が進んでくうちになんとなく英国と独立の構図がつかめてくるんだけど、それぞれの行動の意味は大まかに想像するしかなく、ちょっと入り込みきれなかったところもあり。とはいえ、最初は自由を獲得するための純然たる戦いだったものが、情勢の変化や数々の選択を迫られるうちにどこか変容していく様は超リアル。

誰のために戦うのか、何のために争うのか。時間も空間も遠い極東のオレからすれば、争いを避けられない彼らの姿は、哀しく、そんで愚かしい。なんでそうなる? なぜ撃たなくてはならない? けど、世界はそんなすれ違いであふれてるわけで、主義主張の違いで人は対立し、それが高じると争いが起きるんだよな、と納得する気持ちも半分。そんな人間の生臭さを撮ってる。

これ、今年話題の兄弟の物語でもある。主人公である弟と、義勇軍のリーダーである兄。互いを認め合い、同じものをめざしたはずの2人が、やがて別の道を選ぶストーリーは見応えあり。かなり重苦しくって、楽しい映画じゃないけど、高い評価を得るのは納得。さすがにスタンディングオベーションまではしないけど、拍手は贈りたいすね。

by april_cinema | 2006-10-22 00:00 | All-Star


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