2007年 09月 28日
それは勇気ではなく…。『ブレイブ ワン』10月27日公開。FMパーソナリティのエリカは、結婚目前のフィアンセと夜道を歩いているところを3人組の暴漢に襲撃される。病院で目覚めたエリカに知らされたのは、3週間意識が戻らなかったこと、そして最愛の人の死。退院してもショックから抜け出せないエリカは、自らを守るため衝動的に銃を手にする。 ブレイブ ワン 全身全霊がぐったりするほどに完全なる社会派。テーマはずばり「私刑」。何度も何度も繰り返し論じられてきているテーマだけど、こういう描き方は堪えます。。予想に反してある1つの究極的な答えを提示したラスト。極端な回答例を1つ出したことでがぜん問題提起度が上がるんだね。これはもう頭抱えるしかないわ。 誰だってエリカの立場になれば彼女を責めることもできないし、かといってその立場で物事を見る必要もなく、善悪は自らの価値観によって測るしかないもの。報復殺人を認めてしまえば社会は成り立たず、それは『キングダム』にも描かれていたっけ(スケール違うけど)。 ジョディ・フォスターの魂の演技、NYという都市の捉え方、各キャラクターの背景など描き方は秀逸。秀逸だけにずっしりと重く、これだけできていれば「許せますか、彼女の選択」なんていう煽りコピーは無用だった気がするよ。そんなのなくても、いやがうえにも考えざるをえないもの。ちなみにボクの答えはNoです。 「ジョディ、久しぶり~」なんて軽い気持ちで観ると完全に打ちのめされるので、心構えのうえご観賞ください。
by april_cinema
| 2007-09-28 00:00
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