2007年 10月 31日
空想に生きるのは幸か不幸か? 『エンジェル』12月8日公開。エンジェルは、貧しい家の出でありながら、自身の才能と未来を信じ、想像力豊かなロマンス小説を編み上げる。これが出版社の目に止まると、たちまち女性たちの支持をえてベストセラーに。空想小説に賛否がありながらも、富と名声を手に入れたエンジェルは、売れない画家のエスメに一目ぼれし、結婚を申し込む。現実と理想、実在と創作を行き来するフランソワ・オゾン最新作。 映画『エンジェル』公式サイト ずばり"イタイ女"の話。空想に没頭し、その作品自体も現実離れしながら、それでも支持を得た小説家。現実世界においてもどこか地に足の着かない浮遊した人生を送っちゃう。常に自分の世界の中にいるエンジェルには、何が起きても一方通行。周囲の目も声も聞こえているようで聞こえてないんだよね。しかし、彼女は不自由ない暮しをし、唯一にして最大の理解者=ファンもゲットできたわけで。最後の言葉は、自らの小説のセリフという、どこまでもメルヘンな女〜。 1つ。多分女性は、この女に半ば憧れ、半ば見下しながら観るんじゃないのかしら。オレは完全に出版社の嫁の目線で「まったくデタラメ」と切り捨てがちだっただけど、エンジェル本人には夢も恋も手に入れた幸せな人生だったのかも。もう1つ。死の間際には誰も振り向かなくなっていたエンジェルの創作。それに対してエスメの絵は死後、評価を新たにしようとしていた。ここにもまた、生前の名声と死後の評価、どっちが芸術家として本望かというメッセージが投げ掛けられてるね。 こういう女、いるよねー。程度の差はあるけど。ユメの中を生きた彼女は果たして幸せだったか。ちまたを賑わす「chick lit」そのものを主人公にしちゃったような、オゾン初の英語劇。2つの対比を通してメッセージを投げる興味深い一作でした。
by april_cinema
| 2007-10-31 00:00
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