2007年 11月 17日
意外とちなんではいないけど他人事じゃないのだな。『その名にちなんで』12月22日公開。鉄道事故で九死に一生をえたインド人のアショケは、アシマと見合い結婚。2人でアメリカで暮らし、息子にはある作家からとって「ゴーゴリ」と名付けた。やがて成長したゴーゴリは、その"変人"作家の名を嫌うが、自分の名前にこめられた意味を知り、親の愛情とともに自らのルーツを再確認していく。 映画「その名にちなんで」公式サイト タイトルから、ネーミング押しで来るのかと思っていたけれどそれはあくまでひとつのエピソードで、ジェネレーション&カルチャーのギャップの中で、異国の地で育ちながらも家族の愛情と自らのアイデンティティーを再認識していく話。もっと大感動的エピソードでくるのかと思っていたら、意外としっとりじわじわ系で普遍的な家族愛と自分発見のお話。 がしかし、オレってばやっぱ在日韓国人という身じゃん。外国人として日本で暮らすうえで、ゴーゴリの感覚ってすごく共感できちゃったわけ。あー、これ他人事じゃないな、って。オレも日常においてリアルネームと通称は使い分けていて、それって中高生の頃はもろコンプレックスだったし。でも最近いろんな理由で、実名で名乗ってたほうがラクかもな、なんて思うこともあったりなかったり。さすがに今から変えるのはいろいろと面倒だから多分やらないけど。同胞と結婚しろ、みたいなのも言われるんだよねー。 そういうのを色々考えあわせてるうちに、なんとなくグッと来ちゃいました。アショケの父親としての凛然かつ大らかな振る舞いはすごく素敵だったし、アシマの母として妻としての愛情も美しい。そして自分というものを徐々に見つけていくゴーゴリも感情移入できましたとも。ボクは名前というのはアイデンティティーの確立においてすごく重要であると思っているので、こういうストーリーの作り方も好みなんだよね。 ただ、原作(ベストセラーだそうで)のほうが面白いんだろうな、という気は少々。カルチャーギャップを出すためのアメリカンミュージック多用とか、やや安直に思えるシーンが多かったことも確か。話は美しいけれど、映画として客観的に観るともしかしたらあと一歩なのかもしれません。とりあえずタイトルに引っ張られずに観るほうがいいのかもね。
by april_cinema
| 2007-11-17 00:00
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