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2007年 11月 21日
感想_ペルセポリス
感想_ペルセポリス_b0130850_044490.jpgマンガで学ぶイラン近代史。『ベルセポリス』12月22日公開。イラン革命とイランイラク戦争で混乱を極めた近代イラン。マルジはその時代に幼少期を過ごし、戦渦を避けウィーン留学する中で、自らのアイデンティティーやルーツと向き合っていく。カンヌで賞賛されたアニメーション映画。
映画『ペルセポリス:PERSSEPOLIS』公式サイト

ほぼモノクロで、クラシカルなちょいさくらももこ風の2Dアニメーション。アニメらしい自由さで平面の中で巧みな表現を見せてくれる。マルジは9歳で革命を経験し、その後の厳しい統制などの下で育つうちに、体制への疑問や自分の欲求を募らせていく。アニメにすることで世界中の人に親近感を持ってもらうという狙いは成功してると思うし、イランの人たちはこれを観たらものすごく感情移入するんじゃなかろーか。

この映画のポイントは一度はイランを捨てながらも、やはり自らのルーツをイランに求めるという点だよね。『その名にちなんで』もそうだったけど抑圧とカルチャーギャップにさらされながら、それでもやっぱ自分の出自って捨てられないもんなんだな、と。自分の中に流れる考え方とか目に見えないものがいろいろと違うんだね。

これ、実際にイラン生まれ、現フランス在住の作者の半自伝だそうで、なるほどリアルだわな。特に女子には響きそう。イランの歴史を学びつつ、自国や自分のルーツをちょっと振り返るような、そんな1本です。

by april_cinema | 2007-11-21 00:00 | Starter


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