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2007年 11月 29日
感想_はじらい
感想_はじらい_b0130850_055361.jpgエロおもしろい! 『はじらい』12月22日公開。映画監督フランソワは、"タブーの先にある歓び"を映画にするため、オーディションを行う。女優たちに課したテストは、カメラの前で絶頂に至ること。ほとんどの女優が拒絶する中、3人の合格者が現れるが…。
___映画『はじらい』OFFICIAL SITE___

監督のジャン=クロード・ブリソーは、前作『ひめごと』でのオーディション中のセクハラを訴えられて有罪判決まで喰らってる。そんないわくつき監督の最新作はこれまた問題作。主役のフランソワはまさにセクハラまがいのオーディションをするわけだからね、そりゃスキャンダラスな匂いも漂います。監督は体験が投影されてるとはいうものの、訴訟の前から脚本はできていて、特別な因果はないといっているそーですが。

しかしそんな背景は関係なくおもしろかったのですよ。確かにヌードシーンが頻繁に登場するものの、そこに卑猥さはなく、むしろ芸術的な美しさの方が際立っている。そしてそれより目につくのが、スリリングな人間模様。監督と女優、男と女、女と女という微妙なバランスを、性という背徳的な題材を媒介にしながらも、エロ関係なくドキドキさせる作りに仕上げているのはお見事ですわ。不思議な堕天使の存在も、解釈は難しいけど効いてるよね。現実と幻想の間の危うい感じが出てて。

性的な題材で映画を撮るというタブーと、劇中で道徳観念を突き破るという二重のタブーによって、すごく興味をそそられる一作になってました。まあ観る人は選ぶんだろうけど、はじらうことなく観てもいいと思うですよ。

by april_cinema | 2007-11-29 00:00 | Starter


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