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2006年 12月 08日
感想_鉄コン筋クリート
感想_鉄コン筋クリート_b0130850_22452638.jpg観念的で大人向け! 松本大洋原作の映画『鉄コン筋クリート』12月23日公開。義理と人情とヤクザの街・宝町に暮らすクロとシロ。正反対の2人だけど、街を飛び回り、カツアゲしながら仲良く生活。そんな毎日がヤクザによって揺り動かされたとき…。
映画「鉄コン筋クリート」

原作は非常に哲学的で、そのシュールな世界観のなかで、スピリチュアルなリアルを表現します。なので、若干人を選ぶというか大人向けの作品。受け取り方はたくさんありそう。映画は原作をコンパクトに収めててファンからしても違和感がないであろう作り。やっぱ単行本5冊くらいのボリュームだと2時間に収めても無理がないのね。

宝町は一人の人間の中みたい。善意があり悪意があり、理想、恐怖、攻撃、保守、ポジ、ネガ、それらを思わせるような人物が登場し、せめぎあう。そんな中で何を守るのか、自分の中の正義とは何か、間接的に問いかけてくる。アニメと侮るなかれ、語れる世界がそこにあるよ。

注目は声優陣。クロはニノで、シロは蒼井優。どちらもイメージを壊さない仕上がり。特に蒼井優のシロって想像ではピンとこなかったけど、これが聞いてみるとかなりイイ。強い感情が入る時はややトーンが高いかなーとは思ったけど、声の演技としてはサスガでした。どんなキャラクターにも生きた血を通わせるその才能はやっぱり傑出してんね。

答えのない世界を夢想できる人向きの一作ですね。なかなか悪くないです。

by april_cinema | 2006-12-08 00:00 | Starter


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