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2007年 03月 03日
感想_檸檬のころ
感想_檸檬のころ_b0130850_23242028.jpgあー、もう淡酸っぱすぎよ! 『檸檬のころ』3月31日公開。ロケ地の栃木県では本日より先行公開(原作の設定は著者の地元・秋田というウワサ…)。高校3年生の秋元加代子。秋元と同じ中学の西。西と同じ野球部の佐々木。秋本と同じクラスの白田恵と辻本一也。5人の淡い夢、淡い恋を描いた学園ストーリー。
檸檬のころ -れもんのころ-

秋本パートと、白田パートの重なり合う2本柱で展開。原作のエピソードを切り張りして、うららかな自然光のような雰囲気は抽出できているけれど、ちょっと大人し過ぎる。って原作の空気感がまさにそれ。特別なものはなにも持たない子たちの小さな日常だから、サプライズが起こるわけでもなく、超フツー・ハイスクールライフ。淡い恋があって、小さなことに一喜一憂して。誰もが程度の差はあれ、こんな想いを抱いてただろーな的等身大センチメンタル。そのイメージ通り、全体的に浅めの色調で、スチールは関めぐみさんだったりして、納得。

フツーの物語だけに、映像やプロットじゃなくて一瞬の表情や仕草に善し悪しがかかってる。すなわち役者の力量がものすごく問われる作品で、となると今回のキャストには荷が重かったなー。榮倉ちゃんも谷村美月も悪くはないけれど、芝居で観客を引き込めるレベルじゃない。男子陣はさらに物足りない。平川地一丁目の弟君はイケメンになってたけどね。秋元は掘北に演ってほしかったよね、やっぱ。よほどの青春モノ好きじゃないと、ちょっと印象に残りづらいだろーなー。

原作は、ある地方の高校を舞台にした連作短編集。やっぱりその世界に大それたものはなく、文体はサラリだけどやや内向性を感じさせる。小さなエピソードたちは高校生らしい会話、仕草、機微、その他周辺のディテールがキモで、それらを1冊通して紡ぎ、重ねたことではじめて成り立ってる気がすんの。映画はそこからいくつかを抽出してる時点で、良さが少し損なわれてしまったかも。

ところで、谷村美月ちゃん、老け顔?って思ったんですが、どうでしょう。そろそろ女子高生じゃない榮倉ちゃんが観たいのお。

by april_cinema | 2007-03-03 00:00 | Reserve


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