2007年 09月 11日
Life is happy? 『クワイエットルームにようこそ』10月20日公開。フリーライターの明日香は目を覚ますと、閉鎖された空間で手足を拘束されていた。そこは「クワイエットルーム」と呼ばれる精神科の隔離病棟。冷徹な看護婦、奇妙な患者たち、そして面会に来ない彼氏。一種異様な世界で自分を見つめ直し……って、あたしなんでここにいんのよ? てか、ここから出られんの?? 映画「クワイエットルームにようこそ」 前フリ・説明が長いなぁと思い始めた中盤、ようやく話が展開し始めたらけっこう引き込まれたなー。とにかく役者たちがすごくいい。キャスト勝ち。内田有紀は、振り切れたシーンこそ気持ち物足りなかったけど、全般いい調子。ほぼ出ずっ張りを見事に背負い切ってたね。エライ。クドカン、りょう、ブッキーはもろ得意ゾーンな役でぴたり。そして天才・蒼井優と怪人・大竹しのぶは非の打ち所ありません。蒼井優、今までとはまた違うトーンでイイ。高橋真唯ちゃん、馬渕英俚可、平岩紙あたりもグー。 なんだけど! 内田有紀以外の出番が中途半端でもったいなーい!! なんせ精神病患者だから設定とビジュアルはエッジが立ってるものの、トリッキーさ先行で説明以上の背景が見えてこない。だから魅力あるのに、感情移入しきれないのは残念でった。思わせぶりなセリフは、バックグラウンドが透けてこないだけにちょい上滑り感もあり。 終盤の話の加速は心地よく、テーマ性への転がし方はおもしろかった。マトモに見える人たちもどこかマトモじゃなく、マトモじゃない人たちの中に意外なマトモを見つけちゃうあたりはベタだけどリアリティあり。"面白いだけ"の人生に果たして意味があるのか、ではその逆は、なんて風刺じみたところや、なんだかんだ結局堂々巡りを繰り返すだけの人生だけどそれもまた楽し、みたいな構え方を示すあたりはビビッドに共感できたわわ。 てわけで、豪華布陣とテーマ性の深さで十分楽しめたけれど、この素材でやるならあと3倍は面白くしてほしかったかも、ってのがオレの期待値でった。 『恋の門』と比べると、『クワイエットルーム』の演出は随分スマートになってる気が。って原作が自分だからやり易いだけ? 塚本監督とか、庵野秀明とかは前作に続いて出演しております。そのあたりも要チェックかしら。
by april_cinema
| 2007-09-11 00:00
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