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2007年 11月 28日
感想_魍魎の匣
感想_魍魎の匣_b0130850_045154.jpgホントに豪華で見応え十分! 『魍魎の匣』12月22日公開。箱詰めにされた少女の死体バラバラ事件。人の不幸を箱に封じる祭司。不可思議な方形の館。怪しい人物と箱をめぐる不可解な事件を、古書店・京極堂、作家・関口、探偵・榎木津、刑事・木場たちが追う。
魍魎の匣【もうりょうのはこ】

『姑獲鳥の夏』を観てなければ、原作シリーズを1冊も読んだ事ない京極堂素人状態での鑑賞。いやいや、これかなり面白かったですのよ。なんつってもまずキャラクター。主要メンバーみんな愛すべき変わり者で、しかも役者さんたちが巧くて巧くて。堤さんはホントすごいし、阿部さんもキャリア一番のハマり役に思えました。関口は永瀬さんから椎名桔平に変わったらしいけど、初めて見るオレにはまったく違和感なし。その他端役まで豪華、豪華、見目麗しいわ。しかもそのかぶせまくりの掛け合いが見事。いいテンポ。熟練の技。

そしてもうひとつの見どころは、不思議なロケーション。これどこ? と思ったら一部中国ロケだそうで、戦後の不思議な時代感と、虚実入り混じったような空間は観てるだけでなんだか異次元トリップ。物語の怪異的なムードとよくリンクしてたと思うのよね。だから、古語やら陰陽道やらペラペラよく喋るキャストが時々なにいってるかわからなくても、十分楽しかったですわ。

ミステリとしてというより、純粋に物語性を楽しめたし、あれこれ推測する間もなくどんどん話に引っ張られて、最後まで興味津々のまま見終えられたよ。これは見せ方のうまさも多分に影響していたと思われ、尺の長さ以上に濃密な味わい。時々ちょっとチャチに映るところもあるにはあったけど、ほとんど気になんなかったなー。やっぱキャストの力が大きいわ。

原作読了者がどう思うかは別だろうけど(かなりイジってるらしいので)、期待以上に楽しめた2時間ちょっと。こりゃ『姑獲鳥』もチェキらねば!

by april_cinema | 2007-11-28 00:00 | Starter


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