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2008年 06月 15日
感想_イン・ザ・ベッドルーム
感想_イン・ザ・ベッドルーム_b0130850_21221146.gifやりきれないっす。『イン・ザ・ベッドルーム』DVD鑑賞。開業医のマットとルース夫妻の息子フランクは、2人の子を持ち夫と別居中のナタリーと恋仲に。ある日、ナタリーの家に夫のリチャードが現れ暴れ出した。居合わせたフランクはリチャードに撃たれ命を落とす。悲嘆にくれたマットとルース。それぞれに悲しみも苦しみも受け止めることができないのだった。

すごく丁寧に作り込まれてて、示唆に富んだカットの多さが物語の余韻を増幅させるのよ。息子を殺された夫婦の話、と言い切れてしまうくらいストーリーは単純なんだけど、そこから語りかけてくるものはかなりありますわ。子を思う親。恋心。幸福感。喪失感。後悔。自責。「ベッドルーム」にもいろんなシチュエーションが用意され、同じ空間とは思えないほどの意味がもたらされます。

とはいえ、とにかくやりきれない話であることは確かなわけで、最後まで予断を許さないものの観終わったあとに残るのはなんともいえない後味の悪さ。不条理から始まった負の連鎖からは、ついつい目を逸らしたくなるよ。映画としてのデキがよいだけに、余計に際立つ心苦しさ。軽い気持ちで手に取った自分が軽率に思えるほど重かったです。

トッド・フィールド、『リトル・チルドレン』といい、メタファーじみた画を撮りやがるぜ。

by april_cinema | 2008-06-15 00:00 | 6th-man


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