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2008年 09月 27日
感想_イキガミ
感想_イキガミ_b0130850_10551844.jpgへー、硬派なんだね。『イキガミ』9月27日公開。国家法案により、18〜24歳の1000人に1人が殺される社会。その24時間以内の死亡を宣告する通称「イキガミ」を配達する藤本。彼は、イキガミを届けた人の最期の24時間を見るうちに、自らの役割と法案そのものに疑問を感じ始めるが…。
映画「イキガミ」オフィシャルサイト

マンガ原作で生き死にがテーマって聞いてたもんで、もっとゲーム性の強い話かと思いきや、かなり硬派なんですな。構図はなんとなく『死神の精度』風味で、中身はドラマ『ロス:タイム:ライフ』的。ただ、この作中では宣告された死がくつがえることはなし。原作のエピソードを適当に拾ってるのかな? 描かれたのは大きく3人のラスト1日でした。

『ロス:タイム:ライフ』でも思ったけれど、24時間でなせることって限られすぎていて、懺悔するにも自暴自棄になるにも、時間が足りなすぎるような気が。だから、そこから描かれるものもどうしてもインスタントになってしまって、我が身を省みるほどには胸に響いてこないのです。もっとたくさんサンプルがあれば違うのかもしれないけど、映画に出てきた3エピソードだけだと、さすがになんともいえないまま終わっちまいました。でもそれって描き方の問題だよね。24時間の中にどんだけの普遍と共感を呼び込めるか。その意味で、ここにあるエピソードは単なる悲劇。つらくて悲しいかもしんないけど、それ以上のカタルシスに欠けるのよ。

続編を示唆するような、問いの投げっぱなしで終わられてしまったので、こりゃー原作を読むかなんかしないと、どこにもたどり着けませんわ。硬派にはなっているけれど、なんともモヤモヤしました。

by april_cinema | 2008-09-27 00:00 | Starter


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