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2008年 08月 15日
感想_殺人の追憶
感想_殺人の追憶_b0130850_16274646.jpg魅せられたのは確か。『殺人の追憶』DVD鑑賞。1986年、田舎の農村で女性の変死体が発見される。その後も同様の手口の犯行が見つかり、地元パク刑事とソウルから現れたソ刑事たちは焦りを隠せない。ついに容疑者を絞り込み、DNA鑑定の結果を待つが…。
殺人の追憶 ::アミューズソフト::

実在の事件をベースにフィクションとして映画化したというこの作品。序盤はもたもたしていて何やってんだよ!くらいのもんだったけど、段々と緊張感が高まってきて最後にはどうなっちゃうんだー!?と食い入るように見ちまいやした。韓国映画のそれとは明らかに違うカメラワーク、カット割りからは、ポン・ジュノ監督の才能を感じるなー。

当時の韓国の背景なんぞを織り込みながら、いわゆるバディムービーでも単なるクライムサスペンスでもなく、あくまでフラットにこの凶悪犯罪に切り込んだ監督。警察の焦りはそのまま観客の焦りとシンクロし、最後には無念とやるせなさ、虚無感といったもんたちがいやおうなしに押し寄せる。中盤以降のリアリティがそのまんま熱になってくんね。

しかし、この作品を世に出す意図まではつかめず。犯罪抑止のためのメッセージなのか、はたまたこの忌まわしい事件を記憶しておくためのものなのか。すっきりしないのは確かだけど、力のある作品でした。

by april_cinema | 2008-08-15 00:00 | Starter


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