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2008年 10月 18日
感想_ボーダーライン 報道されない殺人者
感想_ボーダーライン 報道されない殺人者_b0130850_1542168.jpg軽く見えてしまった部分もあるけれど。『ボーダーライン 報道されない殺人者』10月18日公開。シカゴセントラルの女性記者ローレンは、メキシコ国境沿いの街フアレスの連続女性暴行殺人事件の取材に。そこには、自由貿易協定によって多くの工場が建ち、多くの労働者が集められ、そして多くの女性がレイプされ殺されていた。しかし権力者と警察によって、明るみに出ることはなく犯人たちも野放しに。ローレンは、権力者によって隠蔽された真実を、かつての仲間ディアスとともに暴こうとする。
映画「ボーダータウン 報道されない殺人者」オフィシャルサイト

実際に起きている惨事から着想を得てフィクション化したという本作。異国とはいえ悲惨な現実に胸を痛め、頭を抱え、やるせない気持ちになります。話がわかりやすく噛み砕かれてて、ずいぶんざっくりと転がってきますけれど、この映画はディテールというよりも問題意識を投げかけるための作品なので、その辺は突っ込まなくてよし。ただ、こういう作品がいろいろと続いているのも事実なので、そういう意味での目新しさはなし。ロクに知りもしないくせにスクリーンを通して慣れてきてしまっている自分にオエ、ってなりました。

J.Loは最初は安っぽい野心を振りかざしつつ、自分の境遇と重ねて硬派に変化。でも寂しさにまかせてナンパ男にヤラれちゃったりして、ちょっと自己中に見えすぎちゃうけど、ラティーノコスプレとエロをこれっぽちも振りまかないサービス精神皆無なセックスシーンを披露。ってなんなんだあれは!? バンデラスは出番ちょびっと。もったいなーい。でもこういうの入れると、エンタメ色が強まって、本質からちょっとズレちゃうよね。

最後まで問題は解決せず、振り上げた拳の下ろしどころは見つからない。世界中にむごたらしい現実が野放しになっていて、ここにもそれがひとつ。その構図は大体が権力者のエゴによるもの。やっぱりこの映画にも同じものが描かれてました。はあ、世界にピースは訪れないのか。。

by april_cinema | 2008-10-18 00:00 | Starter


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