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2008年 10月 18日
感想_真木栗ノ穴
感想_真木栗ノ穴_b0130850_925121.jpg面白い。んだけど…! 『真木栗ノ穴』10月18日公開。築40年のボロアパートに住む売れない作家の真木栗は、ある日泥棒に入られる。ぐちゃぐちゃの部屋でしかし彼は、壁に穴を発見。西の隣室が覗き見れるように。と同時に官能小説連載の仕事を得た彼は、反対側の壁にも穴を発見。小説のネタにすべく、空き部屋である東に儚げな女性が入居することを夢想すると、本当に女性が現れた。真木栗は、両隣の部屋を覗きながら小説を書き始める。
真木栗ノ穴[まきぐりのあな]

いやー西島秀俊がすっごく良かったなー。売れない作家ってのはイメージ通りの役だけど、それを通り越して奇妙な人間性をコミカルに表現。新人編集者のやり取りとか、謎の年増女とのすれ違いとかは、かなりユーモアたっぷり、含み笑いさせてくれんのよ。覗きのポーズとかはちとやりすぎにも思えたけど、いやいやいい芝居してますわ。

なんとなく、『聴かれた女』の覗き版か?という気もしつつ、でもこっちは本質にあるのは夢か現かというホラーともサスペンスともファンタジーともいえそうなところ。原作小説がどんなか知らないけれど、段々壊れていく真木栗に、少しずつ気味悪さを覚えて、最後の最後まで結局なんだったのかは教えてもらえず。まあそこがホラーのミソだからケチつけらんないけど、中盤面白かっただけに、ぐはぁ…な気分に。

ホラーつっても別に背筋が寒くなるとかそういうタイプでもなくて、薄気味悪いレベル。ただやっぱ、そういう終わりは個人的趣味趣向として愛せんわ。ナニソレーって思っちゃうもん。意外に地味に終わってしまうしね。なんかプロテックエースとか、ラストシーンとか、伏線感じなくはないけど、それも別にな…って感じ。筋と西島さんが良かっただけに、演出にはやや疑問を感じた部分もありました。でも、概ね面白くて引き込まれたのは確かでーす。

by april_cinema | 2008-10-18 00:00 | Starter


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