2015年 12月 12日
![]() またも冒頭は前作のラストシーンという構成を踏襲し、全体的な展開も大体一緒で実に分かりやすいわ。でもこれまでよりもビジュアルが強化されていて、2より楽しかったな。突っ込みどころはものすごくあるというのは今まで通り。 そもそも、2ではCMのちょっとしたセリフもまともに言えないダメ男だったはずなのに、今度は随分スマートにスターになってたし、すっかりセレブ入り。で、ミッキーは弱い相手とばっかりマッチメイクしてたって10回もそれやったら世間が黙っちゃいないだろうに、ロッキー気づいてないとかありえないっしょ。で、突如アポロがトレーナーにつくっていうのも随分都合がいい話だけどまあそれはいいか。 てかミッキーとロッキーの関係性が解せなすぎるわ。そもそも最初あんなに愛想尽かしてたのに、タイトルマッチになった瞬間手のひらを返したミッキー何なのって感じだし、トレーニングもミッキーが何してたのか全然見えないし、「ボディをねらえ」って指示もどこから来てるのかわからないし。挙句、弱い相手とマッチメイクして嘘ついてたって最悪だろうが。さらにアポロがトレーナーになったことで、ロッキーが基礎ゼロでこれまたミッキーは何もしてなかった疑惑再燃。この辺はスピンオフでもして、エピソードゼロつくってあげないと報われないよねー。 しかしアポロのいい奴っぷりよ! 1ではかなり傲慢なチャンピオンだったけど、2でムキになったのに負けて可愛くなり、そして3では超絶クールな紳士になって帰ってきたね。このキャラたまらないわ。アポロ萌えの人結構いそう。そもそも、アポロ相当強そうだけど、なんでロッキーに負けたんだっていうね。「虎の目をしろ!」ってアナログな指示もいいわ〜。今作のトレーニングは今までの走って筋トレしておしまい!から格段にステップアップして、ビーチをダッシュして、水泳して(最初は顔を水につけずに平泳ぎだったのが最後にはバタフライw)、フットワークにスパーリングとそれっぽくなってました。ロッキーとアポロが浜辺をダッシュ後に水辺でタンクトップ姿でじゃれあってるホモっぽいシーン、最高だったな。 でも、スタローンの肉体改造には驚いたね。ランボーの役作りだったそうだけど、前2作とは見違える体つき。アポロの体もすごいし、きわめつけはクラバーの顔と体の怖さね。あれはすごいわー。あとハルク・ホーガン出てたね。笑 あんなに強くて怖かったヤングなのに、簡単に負けちゃったのは残念。 漫画と同じで、大して面白くねーって思いながら結局最後まで見ちゃってそれなりに楽しんでる、っていうタイプの作品です。ロッキーもう34歳てことだけど続編はどういう展開になるんだ!? ▲
by april_cinema
| 2015-12-12 00:00
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2015年 12月 05日
![]() 今月公開の『クリード』を観るために、SW祭りに続いてロッキー祭りを敢行。いやーこれがロッキーかー。なんつーか、ものすごく単純なストーリーで、ディテールはほとんどなく、トントン拍子の展開にかなり驚いたわ。これに世界が熱狂して、アカデミー賞の作品賞までとったとはね。 なんつっても、ごろつきボクサーに過ぎなかったロッキーが、生卵5つ飲んで、ランニングして、腕立てしたら、なんか知らないけどチャンピオンに勝ってしまうという展開に全然感情移入できず。しかも試合の中盤はまるきり省かれてしまうという描き方にもお口あんぐり。そんなはしょり方ありかよ。あれだけ打たれまくって立ってられるって正気? そして最後には突如ワンパンチでチャンプを沈めちゃってたけど。。冒頭に試合で三流ボクサー相手にやっとこ勝った人ですよね…。 でも、こういうシンプルなハッピーエンドが求められた時代だったのかなと。ウィキを見ると、この映画が、それまで続いていたアメリカンニューシネマの流れを終わらせる契機になったとか。ベトナム戦争を背景にダークなムードが漂っていた世の中に、このあまりにも単純なサクセスストーリーがはまったんだろうね。時の移り変わりというか、そういうの感じるわ。そしてこういうエンタメ作が増えていった反動でまた、今は実話とかそういう重みのあるものも求められるようになったし、時代の振り子ってこういうことなんだろうなーと勝手に映画史をわかったような気になってみたり。 エイドリアーンのラストは、「ああこれかー!」って思えました。おなじみのテーマソングもやっと本物を見れましたわ。 ▲
by april_cinema
| 2015-12-05 00:00
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2015年 11月 29日
![]() 10.21 ブルーレイ&DVD発売 レンタル同時開始 9.23[先行]デジタル セル配信 映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』公式サイト この夏バズりまくって、アカデミー賞にも絡むとか絡まないとか言われている話題作、これは今年のうちに見ておかねばと鑑賞。確かにすごかったけど、全然好みじゃなかったわ。完全なデストピアもので、その中で作り込まれたビジュアルと、凄まじいカーアクションがとにかく繰り広げられるという展開。ストーリーに広がりはなく、追っ手と戦いながら逃げ、激しく争い、そして最後には逆襲に出る、って感じね。マックスのドラマは語られるず、フュリオサの背景が若干語られるけど、まあそれは味付け程度でしたね。 マッドマックスシリーズって北斗の拳の元ネタってことも知らなかったんだけど、確かにその物って感じの世界観。とりあえず全員クリーチャーみたいなルックスで、下っ端の兵士はみんなスキンヘッドの強面で、キーマンを演じたニコラス・ホルトは格好良かったなー。『蛇にピアス』の高良くんをちょっと思い出したようなそうでもないような。マックス演じるトム・ハーディは、顔に拘束マスク付けられてて、なんとなく『ダークナイト・ライジング』のヴィランだったとき風味もありつつ。シャーリーズ・セロンは坊主で体張ってました。イモータンはジョーカーを変形させた感じで、あのビジュアルもやばかったね。 アクションの部隊であり武器になる車もすごいのな。マッスルカーみたいなのと、どでかいタンクと、さらにそこから曲芸みたいなのもいれば、太鼓とギター(火を吹く!)のバンドカーもあり、まあすごかったわ。走りっぱなしの展開は『スピード』を思い出すようなそうでもないような。最後手前の、ニコラス・ホルトの大横転自爆はすごかったなー。 メインのキャラが女性たちってのが現代的だよね。5人の妻がさすがに美人ぞろいだったのも見目麗しく。ということで、ド派手アクションが好きな人にはオススメの1本でした。次の続編も決まってるみたいね。 ▲
by april_cinema
| 2015-11-29 00:00
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2015年 11月 12日
![]() ジェダイがなんかパワーアップしてるー! 立ち上がりのシークエンスでジェダイができることいきなり増えたなと。暗殺者を追いかけるのはいいけど、すごい高所から飛び降りたり、飛行マシンにぶら下がったり、一気に超人化してるわ。もともと超人的という設定なんだろうけど、ここまでフィジカルにすごい動きは初めて見たよ。CGの進化に合わせてジェダイもできることが増えているというところでしょう。ライトセーバーはすぐ落とすし、すぐ超能力で引きつけるし。てか心操れたり、物動かしたりできるんだから、もうちょっと戦い方はいろいろあるんじゃないかという気がするぜ。 で、問題はアナキンの中2っぷりでしょう。自意識強すぎて不満たらたらなのは若気の至りとしても、10年ぶりの再会、前は10歳にもなってなかったガキが、アミダラを想わない日はなかった、ってどんだけませてんだよと。と思ったら、アミダラもその気かい!ってどんだけロリコンなんだと。何気にイチャイチャシーン多かったけど、いらねーなーって思ったわ。これはアミダラが次で死んで、アナキン暗黒面堕ちという展開ですかね? オビ=ワンの「いつかお前に殺される気がするよ」はさすがのジョークでしたね。未来、見えてるね〜! エピソード4〜6を見てる身としては、こいつ絶対ダースベイダーなるぜフラグ立ちまくりでモヤっとするわ。ルークも大概メンタル弱めだったけど、アナキンはそのはるか上をいってたね。ヘイデン・クリステンセンて他何出てたっけ?と思ったら、『ジャンパー』以外パッとしたの出てないんだね。『ジャンパー』も続編あるって話だったと思うんだけど立ちにえですかね。嫌いじゃなかったんだけど。 話が逸れましたが、相変わらず話の全容がよくわからないままノリで突き進むね。クローンを発注したというマスター・サイフォ=ディアスって誰やねん、と。あとパルパティーンはのちの皇帝ですよね? ダース・シディアスなんですよね? ってまだ明らかになってないからよくわからないけど、旧三部作と合わせるとそうなるよね? 隠す理由なくないかな。ドゥークー将軍もやたら強かったけど、ジェダイとしてはどうだったのか。マスター・ウィンドウはただのマスタージェダイの一人でしかないのか。 映像が進化してるからそれなりに「オー」って感じはあるけど、相変わらず話は面白くないな。さあ、ラスト1作、どう締めてくれるのか。ベイダーはいかにして生まれるのか! ▲
by april_cinema
| 2015-11-12 00:00
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2015年 11月 11日
![]() てことで新三部作に突入! もう映像がいきなり現代にそれになってて、技術の進化に素直に感動したわ。スター・ウォーズの歴史は、映像技術の歴史なんだね、とか思ったよ。旧三部作は特撮を駆使し、新三部作はCGを駆使し、おそらく最後の三部作は3Dでもんの凄いスペクタクルになってるんだろうな。アクションも、しょぼかった旧三部作とは雲泥の差で、相変わらずライトセーバーでのタイマンというオールドスクールなスタイルだけど、動きはだいぶ機敏になってたよ。盛り上がりはしなかったけど。 世界観は相変わらずで、ジャバ・ハットやヨーダがクリーンになってて感動。ドロイドも、時代的には旧三部作より古いのに、断然スペック高そうに見えたっけね。R2-D2も活躍したし。キャストは、リーアム・ニーソンが若くてえらい格好いいなーってことと、ユアン・マクレガーもこの頃はまだまだ青年だったのね、ということ。ナタリーも今より断然みずみずしくて素敵でした。で、影武者ってナタリーじゃないよね?って後から検索したら、まさかのキーラだった! 女王のヘアメイクと衣装がぶっ飛びすぎててわからないよ。でも検索候補にすぐ出てきたから同じ疑問持った人多かったのね。さらにウィキ見てたら、他の侍女にソフィア・コッポラがクレジットされてたよ! そう言われたら見覚えあるかも!! さて。お話としては一応まとまってたけど、やはり序章という感じ。この少年がのちのベイダーであり、すでにそれを予見する描写があるというのは感慨深いね。でも、クワイの見る目が節穴ってことではないと信じたいから、どんなドラマが待っているのか。そしてサミュエル・L・ジャクソンの役所も気になるし、シスってなんやねーん!って話。次ではアミダラとアナキンが出来ちゃうって話だけど、結構な歳の差ですよね。その辺りも楽しみでごわす! ▲
by april_cinema
| 2015-11-11 00:00
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2015年 11月 10日
![]() 最後まで盛り上がらなかったわ。ハン・ソロ救出劇も、ずいぶんチープな作戦だし、ルークは結局ダゴバで何もしてないのに、ジェダイになっちゃっててオッケーなんすかね。ジェダイってなんなんですかね。メンタルが成長した感じは特にないんだけど…。そしてまさかのレイアが妹! 妹って! ルークより年下なの? うそでしょ!? 最初から好みの顔じゃなかったけど、ますます驚いたわ。 最終決戦前半、森の中でのチェイスはなかなか面白かったな。当時としては超最先端な映像だったんじゃないかなー。帝国軍のやられ方があまりにもあっけなかったり、ハン・ソロが後ろから肩をトントンとしてダッシュっていう古典的アクションも笑えたし。 で、問題のラストバトルだけど、やっぱりルークとベイダーの戦いがしょぼすぎる…! ライトセーバーで戦うのみだし、そもそもこのセーバーもなんなのかよく分からないね。切れるわけじゃないんだよね。銃弾的なものは打ち返せるわけだし。てかベイダーがオビ=ワン倒した(のか?)時はオビ=ワン消滅しちゃってたけどあれもなんだったのだろう。てっきり生きてると思ってたけど。エピソード7以降にでたりしないよね? ベイダーへの説得もよくわからず、決裂したと思ったら皇帝さまとご対面。この皇帝さまも途中から存在感出してきたけど、何者なのかも能力もまるでわからず、でもルークってベイダーとの戦力差もすごいのに、その上の皇帝さまじゃさらにかないっこないはずなのに、ポーンて投げ出して終わっちゃったね…。この結末で帝国軍を倒しましたってわけにはいかんだろ〜よ。 そもそも論ばっかりだけど、最後まで帝国軍と反乱軍の構図の全体感はわからないまま。銀河の秩序もわからない。でも、それは2015年に見てるからそう思っちゃうってことかもしれませんわ。なんかの記事で、「この映画は現実世界とは完全に切り離された世界を描いているからいい」ってあって、確かに地球なんてこれっぽっちも出てこないし、変に現実めいた設定がないことこそがいいのかも。そして、宇宙人と宇宙船出まくりのB級ぽいディテールが馬鹿受けしたってことだよね。そう考えると納得行く気がする。この映画は、リアリティ云々ではなくて、「冒険」の映画なんだよね。C3POも言ってたもんね。 シリーズ見たことなくても、ダースベイダーもC3POもアナキンもヨーダもチューバッカも聞いたことあったけど、意外にルークの名前ってぜんぜん出てこないね。主人公に魅力がないのが、唯一のスターウォーズの欠点だったんじゃないでしょうか。あとレイアが可愛くないこと。 さて、新3部作はどうなっているのか。なんだかんだで楽しみだわー。 ▲
by april_cinema
| 2015-11-10 00:00
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2015年 11月 09日
![]() 旧3部作の真ん中、なんだかエピソードがやたらと細切れに展開していく気がしてニントモカントモ。まず冒頭のシーン、ルークは不用意に怪物にやられて死亡寸前。でもフォースの力で助かったけど、その力っていつの間にマスターしたんだっけ? ソロのおかげで助かったとはいえ、ヒーローらしからぬ行動とピンチ。頼りないぜ…! 後からウィキ読んだところ、撮影前にルークの人が顔に怪我しちゃったから無理矢理シーン追加して整合性とったとか…。ま、それも笑い話か。 ヨーダと会ってからも、いまいちどんな修行してるのかよくわからず、苦労も伝わらないままあれよあれよで能力はレベルアップしている風。でもそれを捨てて飛び出しちゃうルーク。少なくとも、メンタルは成長してないって言えると思いますこの時点で。そして相変わらずフォースの力には何の説明もない。あえてだろうけど。 で、なんか大した盛り上がりもないままに、まさかのベイダーとの対面。手も足も出ないのに、ベイダーの味方になることは拒み、一丁前に脱出。ベイダーの親心がみすみすルークを逃したってことなんだろうけど、ルークの成長が全く語られないのなんなんだろう。旧作ってことで心静かに見てるけど、今劇場公開してたらボロカス叩かれそうだな。それも含めてレトロ感を味わうべきなんだろうな。大体ダースベイダーの強さもさっぱり描かれてないから、どのくらいの敵なのか見当もつかないぜよ。てか、ルークの父親だったことには驚いたけど!(その設定知らなかったです) 3部作の真ん中にありがちな中だるみというか、どこにも辿り着かない感。でも最後のハン・ソロ冷凍保存されちゃうのこわー! しかも宇宙に放り出されちゃうのなー! ▲
by april_cinema
| 2015-11-09 00:00
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2015年 11月 03日
![]() 映画『アメリカン・スナイパー』オフィシャルサイト 今年のアカデミー賞を騒がせ、アメリカで空前の大ヒットになったというイーストウッド作品をようやく鑑賞。楽しい映画じゃないとは思ってたけど、想像を絶する重く、苦しい映画でした。作品の7〜8割は戦場シーン。初めての任務で、女性と子供にも銃を向ける緊張感から、やがて取り憑かれたように敵のスナイパーを仕留めることに文字通り命をかけ、多くの敵を討ち、同時にたくさんの見方を守ったクリス。だけど、伝説というニックネームも虚しさがつきまとう。帰国後、彼に命を救われた兵士はクリスを英雄だと称えるが、それすらも漂う空気はあまりにも寒々しい。 クリスは信じる道を行ったにすぎない。でも、アメリカ側から見たからこれは英雄でこそあれど、イラク側から見れば彼は悪魔であり侵略者だった。劇中、戦争の目的は明らかにされないまま、ただただ敵の重要人物を追い、民間人も巻き込みながら戦いを繰り返す。そこに人間らしい感情はなく、文字通りの命の奪い合いがあるのみ。でも、誰もそこに疑問を感じない。わずかに疑問を口にするセリフもあったけれど、それはあっという間に銃声にかき消され、砂埃の中で見えなくなってしまう。それが戦争の実態なんだろうか。 退役軍人のPDSDは、『ハートロッカー』や、『マイ・ブラザー』なんかでも描かれてた通り。これがアメリカでヒットするということは、それだけ多くの人が関心を持ち、心を痛めているということでもあるんだろうか。クリスの中にはいつまでも銃声は鳴り止まず、愛する家族を前にしてなお、それは止められなかった。そして、ようやく克服したかのように見えたところで起きた悲劇。この映画、クリス自身の自伝の映画化だそうだけど、彼はこの完成を見ずにこの世を去ったそう。彼が亡くなったのは2013年、なんとまだ39歳。僕と3つしか歳が違わないという。想像を絶する悲劇に、言葉が出ませんでした。 戦争の悲劇と、運命を曲げられてしまったひとりの男。彼は英雄ではなく、犠牲者だったと思うと胸が痛みます。クリスのご冥福を祈ります。それにしても、役作りで18kg増量というブラッドリー・クーパー。別人の域の役者魂、しかと焼き付けました。ハングオーバー野郎がこんなに売れっ子になるなんてね〜。 ▲
by april_cinema
| 2015-11-03 00:00
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2015年 11月 02日
![]() 映画『ソロモンの偽証』オフィシャルサイト <前篇・事件>2015年3月7日(土)、<後篇・裁判>2015年4月11日(土)公開 劇場で観れなかった後篇をようやくDVD鑑賞。基本的には原作の筋をなぞった感じで、演出のテンションは前篇同様になんか重くてちょっとわざとらしくて、あんまりハマれない感じだったけど、原作では読み取れなかったものが実写になることで見えてきたなって思いました。大出を糾弾する場面や、神原の告白なんかは、真に迫る感じもあったし。 宮部さんが描きたかったことは、嘘は果たして人を守れるのか、ということ。事件が起きた後に校長先生がした判断。生徒に何を隠し、何を伝えるのか。マスコミには、そして警察には。生徒を守るための行為だったけれど、それは第二の悲劇のきっかけにもなってしまった。では樹里のついた嘘ははたして。彼女自身を守ることができたのか。でも、松子の悲劇は果たしてどうなるのか。そう、嘘では誰かを守ることはできないのではないだろうか。 でも、だからといって真実ならば誰かを守れると言い切れるのだろうか。嘘をついていない森内が守られることはなかった。神原の告白は柏木くんを救いはしなかった。樹里の嘘を暴くことになった。しかし大出は守られた。一方で、隠されていたものも明らかになった。必ずしも、真実が、本当のことが誰かを救うとは限らない。いや、誰かを救うと同時に、誰かを傷つけることもある、というほうがリアルなんだろうな。 てことを言いたかったんだと思う。大人には大人の、学校には学校の、子供には子供の都合があり、人生がある。そこには嘘も、本当も、どっちもあるだろう。善意の嘘もあれば、悪意を剥き出しにした真実だってある。その中で、自分を守れるものは、藤野涼子のいうとおり、自分だけなのだ。乗り越えるべきは自分なのだ。柏木くんが乗り越えるべきは、屋上のフェンスではなくて、自分自身を苦しめた自意識だったのだ。そうして、子供たちはやがて大人になっていく。裁判を始めた動機は、本当のことが知りたい、だった。大人たちに与えられる回答や結末ではなく、自分たちで掴み取る真実。そうすれば胸のモヤモヤは晴れるはず、そう思っていただろう。でも、結果は、胸のすくようなハッピーエンドではなかった。傷つく人、傷つける人を作るものだった。勝ちも負けもない限りなくグレーなものだった。でもそれが社会であり、世界なのだ。それを知るのが、きっと14歳なんだろう。 映画としての独創性や面白みにはやや欠けたけど、原作の強さを活かした作品だったように思います。原作で読み解ききれなかったコアに気付かせてもらえて、自分的にはとてもすっきりしました。藤野涼子ちゃん、安藤玉恵さんに似てる気が。あと井上判事役の子がなんか良かったな。そして塚地さん、前篇に続いていいお仕事。あの遣る瀬無さに胸が詰まりました。 前篇の感想はこちら。 感想_ソロモンの偽証<前篇・事件> ▲
by april_cinema
| 2015-11-02 00:00
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2015年 10月 11日
![]() ミュージカルのシカゴが12月に東京にやってくるってことでのDVD鑑賞。僕の周りの女性陣はけっこう多くの人が観てて、ブロードウェイで観た人もいて、みんな好きっていうからさ。で、率直な感想は、面白かったけど、そんなでもないかな、というところ。なんというか、エンタメ作品はこの12年でむちゃくちゃ進化しているから、ビジュアルも歌も踊りも物足りなく感じてしまいました。だったらちょっと前の『バーレスク』とかのほうが盛り上がったような気がする。 レニー・ゼルウィガーの顔は好みじゃなくて、セクシーさも感じず、ダンスのキレはあったと思うけどシカゴ中を虜にするには弱いような。ゼタ姐は、がたいよく迫力あり、メイク濃くて、オリジナルの顔ってどんなだったっけ?って感じ。セクシーとは思ったけど、ダンスはそれほどでもなかったかな。リチャード・ギアは胡散臭さが足りないような。歌にも迫力なかったし。中盤以降は肝心のミュージカルシーンもあんまり多くなかったからそこもちょっと不満足かな。 ストーリー的にはまあどうってことなくて、殺してつかまってそれでもスターを夢見て奢れるもの久からずと。アイロニーはあるけど、もうちょっと女のサガみたいなの強調してもよかったんかなーとか。クイーン・ラティファが突然ロキシーヘアになってたのは笑ったけれど。まあでも20年代だからそんなもんか。ちょっと期待しすぎちゃったかなという感じです。 ▲
by april_cinema
| 2015-10-11 00:00
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