<   2007年 09月 ( 19 )   > この月の画像一覧

2007年 09月 30日
感想_タロットカード殺人事件
b0130850_22365575.jpgこれはまたしょーもない…。『タロットカード殺人事件』10月27日公開。ジャーナリスト志望のアメリカ人学生・サンドラ。マジックショー出演中に、どいうわけか3日前に死んだ新聞記者からのタレ込みを聞く。そのネタは、なんでも巷を騒がすタロットカード連続殺人事件の犯人があのイケメンセレブってゆーじゃない! サンドラはスクープのため、手品師のシドニーと共に件の男ピーターの懐に飛び込む!!
タロットカード殺人事件 ♥ ♠ ♦ ♣ SCOOP

こういうのを小粋というのか正直ビミョーですけど、軽〜いノリの会話劇。ちょいと斜に構えた笑いのポイントと、ビミョーに捻ったテンポ命のテキストが、ロクに緩急もなく最初から最後まで。いってしまえば「くっだらねー!」、ですわ。別段笑えもしなければ、特に風刺的ってわけでもなく、とにかくウディ・アレンが鬱陶しくて仕方なし。そこまでしてスカーレットと絡みたいのか!? 90分だからまだ許容範囲だけどね。

スカ嬢はメガネ&スク水姿を披露して、オッサンキラーっぷりを遺憾なく発揮。今作は憎めないヌケサク女子大生を愛らしくも演じてて、触れ幅広いよなーと感心。これこそ小粋と呼ぶべきか。ヒュー・ジャックマンも役にぴったり。ニットとジーンズがよくお似合いで。

最初は、なんて酷い!と思った邦題も、カードをめくってみて納得。このくらいのナメたタイトルがお似合いのスノッブ映画(といったら怒られるか)。『マッチポイント』を期待してしまっていたので、びっくりするぐらい守備範囲外でした。ウディ・アレンの映画をほとんど観たことがないのでわからないのですが、ファンはこういうのがお好み?
[PR]

by april_cinema | 2007-09-30 00:00 | Reserve
2007年 09月 28日
感想_ブレイブ ワン
b0130850_2235193.jpgそれは勇気ではなく…。『ブレイブ ワン』10月27日公開。FMパーソナリティのエリカは、結婚目前のフィアンセと夜道を歩いているところを3人組の暴漢に襲撃される。病院で目覚めたエリカに知らされたのは、3週間意識が戻らなかったこと、そして最愛の人の死。退院してもショックから抜け出せないエリカは、自らを守るため衝動的に銃を手にする。
ブレイブ ワン

全身全霊がぐったりするほどに完全なる社会派。テーマはずばり「私刑」。何度も何度も繰り返し論じられてきているテーマだけど、こういう描き方は堪えます。。予想に反してある1つの究極的な答えを提示したラスト。極端な回答例を1つ出したことでがぜん問題提起度が上がるんだね。これはもう頭抱えるしかないわ。

誰だってエリカの立場になれば彼女を責めることもできないし、かといってその立場で物事を見る必要もなく、善悪は自らの価値観によって測るしかないもの。報復殺人を認めてしまえば社会は成り立たず、それは『キングダム』にも描かれていたっけ(スケール違うけど)。

ジョディ・フォスターの魂の演技、NYという都市の捉え方、各キャラクターの背景など描き方は秀逸。秀逸だけにずっしりと重く、これだけできていれば「許せますか、彼女の選択」なんていう煽りコピーは無用だった気がするよ。そんなのなくても、いやがうえにも考えざるをえないもの。ちなみにボクの答えはNoです。

「ジョディ、久しぶり~」なんて軽い気持ちで観ると完全に打ちのめされるので、心構えのうえご観賞ください。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-28 00:00 | Starter
2007年 09月 27日
感想_once ダブリンの街角で
b0130850_22342118.jpg青春×音楽×恋だの愛だの。『once ダブリンの街角で』11月3日公開。ダブリンのストリートで歌う男。それを聴いて話しかけるチェコ移民の女。男は過去の恋人への想いを歌い、女は家庭の事情に縛られていたが、共に音を奏でるとき、2人は幸福感を得始めていた。男は夢を追ってロンドンへ行くことを決意し、女とともに最初で最後のレコーディングに臨む。
:::: once ダブリンの街角で ::::

そりゃー爽やかで甘酸っぱいってば。ミュージカルじゃないけど、かなり多くの部分を楽曲に乗せ、リリックで想いを伝えてくるとはねー。ちょい歌もの初期レディオヘッドっぽい感じがあったりして、わりと好き系メロディ。話の内容はまるっきり青春ラブで、昔の恋と今の恋、でもって音楽という夢。いくらでも転がってる話だけど、すっごいこじんまりしててイヤらしさ全然なし。未練がましかったり軽率だったりっていう男のちょいダメなところが、男からは共感を、女からは母性を引き出しちゃう感じ? わかるわー、みたいなザ・等身大。

歌詞の和訳が例のごとくストレートすぎるのが個人的にはちょっと抵抗あるんだけど、それを抜きにすればほとんど全編好印象。なんせ女の子がカワイイ! 素朴だけどそこがまたいいんだよね。撮影時17歳ですって。男の方は35歳、っておい! 年齢設定は出てこないけどちょっと幻滅するじゃないか!

てわけで、ちょっぴり恋したくなるような切なめ秋映画。サントラ欲しくなるし、アイルランド行きたい心もくすぐられます。

::::以下ネタバレ!::::

+++

女がチェコ語で返す言葉は「あなたのことを愛してる」、ですって。観終わってから教えてもらったけど予想通りでした。わかっちゃうオレってロマンチスト?
[PR]

by april_cinema | 2007-09-27 00:00 | Starter
2007年 09月 26日
感想_オリヲン座からの招待状
b0130850_23465977.jpgもはや目新しさはない昭和の味。『オリヲン座からの招待状』11月3日公開。別居中の夫婦のもとに、京都の小さな映画館オリヲン座から、最終上映の招待状が届いた。子供の頃、たくさんの思い出をもらったオリヲン座。2人を家族にしたオリヲン座がいちばん元気だったあの頃、劇場を守り続けた男女がいた。
映画「オリヲン座からの招待状」オフィシャルサイト

加瀬君は現代青年も合うし、戦中ボウズもよかったけど、昭和レトロもすっぽりハマるわねぇ。りえ様は相変わらず細すぎるけど、それがまた昭和っぽさともマッチするわねぇ。という感じで、小さい小さい人情&愛情の物語で、数年前から増えてる系譜の作品。特別なものはないけれど、普通にいい話。原作未読ですが、浅田次郎らしい雰囲気は醸してます。

2人の素朴で奥ゆかしい生き方はいかにも古きよき昭和って感じのヴァイブスを放射してる。丁寧さは感じるし話も無理はないんだけど、どうも少し浅い印象が。それは地味だからってんじゃなく、2人の映画への情熱を感じさせるエピソードが意外と少なかったから。そこをもう少し厚くしてくれたらもっと留吉に感情移入できただろうし、トヨとの関係性にもさらに深みのある距離感が出てきたような気がするけど。

それでも最終上映のシークエンスは、やっぱりちょっといいな、って思っちゃったり。それは原田芳雄のチカラだったり。盛り上がりに欠けるので薦めはしないけど、いい話なことは確かなので、なんとなくホロリはできるよ。まっとうな役での田口トモロヲ(もう50歳なのか。年齢不詳だ)の起用はマルです。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-26 00:00 | 6th-man
2007年 09月 23日
感想_僕のピアノコンチェルト
b0130850_2232415.jpgいけすかない天才小僧! 『僕のピアノコンチェルト』11月3日公開。ヴィトスは幼少の頃より破格IQ天才児。ピアノの腕前も大人顔負け、両親の期待は最高潮! が、それゆえに大好きなベビーシッターをクビにされ、ピアノの先生も変えられ、「普通」ではないことに苦悩する。唯一心を許す話し相手のおじいちゃんに相談した数日後、ヴィトスはマンションから転落し後遺症が出てしまう。
映画『僕のピアノコンチェルト』公式サイト

うーん、悪くないと思うんだけど、ヴィトスが好きになれなかったー。天才児ゆえの苦悩というよりはこの子の性格の悪さって気がしてしまってやや乗り切れず。演技自体ももうひとつだったような。この子が実際の天才ピアニストで演技は初めてという先入観があるからそう見えたのかもしんないけど。

ヴィトスはピアノに限らずあらゆる面で天才で、その全知全能っぷりはあまりにマンガ的。ここまでになると、天才ゆえの苦悩なんて吹き飛んじゃうんじゃないの? キャラの掘り下げが中途半端なのかな。いろんなエピソードでその能力と想いを描いてるけど、そこにいたる心理的プロセスが足りない。ピアノに深い思い入れがあるようには見えなかったし、両親やおじいちゃんとの関係性も感情移入するほどは描かれず。ラストだって、話はきれいにまとまってたけど、なんでそこに帰ってくるわけ? と思いましたわ。

天才の話も数知れずあるだけに、その中でこの作品のヴィトス君に魅力があったかといわれると、残念ながらノーでした。設定は面白みがあるけど、そこにどうしても引っかかってしまいまひた。同時期公開のピアノ物語ならば100対0で『4分間のピアニスト』を薦めます。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-23 00:00 | Reserve
2007年 09月 22日
感想_レディ・チャタレー
b0130850_2231459.jpg大人のロマンスつーより昼メロ? 『レディ・チャタレー』11月3日公開。チャタレー夫人は、戦争により下半身に障害を負った夫の看病や、夜会の世話に明け暮れる鬱々とした日々を送る。姉の助言により看護士を雇ったことで自分の時間を得た夫人が出会ったのは、森の番人。そして2人はめくるめく愛の世界へ。
レディ・チャタレー公式ホームページ

戦前の官能小説の代名詞みたいなやつが原作だそーで、実際何度か映画化されたやつもエロ満載だとかなんとか(もちろん知りませんでした)。でも今作ではエロスを前面には出さずに孤独を抱えた男女の愛のお話しになっております。抑うつの中で生きてきた貴婦人と、孤独にしか生きられなかった下人のロマンスがどんな風に燃え上がるのかと思いきや。

思ったような情熱的恋愛ドラマは展開されず、心象風景が森の景色とあいまって淡々と、そして湿度をもって展開される詩的ストーリー。ちょいちょい出てくるラブシーンは、肉体に生まれつき備わっているべき官能性の再生みたいものを感じさせて、なんだか青春のやり直しみたいな描き方? さすがに初恋と呼ぶには濃厚だけれど、そんな雰囲気が醸されてるの。

だけど、オレにはそんないいもんに映らんかったぞ! 命あるものとしての肉体を求めたご婦人と、孤独からの解放として欲情に溺れた中年男が行きずりアヴァンチュールしちゃっただけにしか見えなかったぞ。あとからプレスシートを読んで、なるほどそういう美しいものとして鑑賞すべき物語だったのか、と気付かされたけど、もっともっと溺れる前段階とか過程の葛藤も描いてくれないとわかんないなぁ。てか切なさが皆無。恋愛にはやっぱり切なさを求めてしまう自分。

とまあ美意識に欠けるというか下世話な感想になっちまいました。無粋でゴメンネ。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-22 00:00 | IL
2007年 09月 21日
感想_アフター・ウェディング
b0130850_7592223.jpgついにキタ、オトンの愛! 『アフター・ウェディング』10月27日公開。インドで孤児院をひらくヤコブは、巨額の寄付金の話が舞い込み祖国デンマークへ。謎の寄付主に招かれた結婚式、花嫁の母親はかつて交わりを持った女性であり、花嫁の父親は自分であることが知らされる。そして…。
『アフター・ウェディング』公式サイト

オカンの物語はいたるところで見かけるけど、ちっとも出てこなかったオトンのお話。デンマークからついにきたねー。2人のオトンを中心にした家族愛の物語。泣くあと一歩手前って感じだけど、観客の興味を惹き付けるプロットと、印象的な映像でじわりじわりと感動できる良作!

花嫁アナの義父であったヨルゲンは、家族を守るために体を張る。妻、そして娘への愛情は本当に泣けるし、彼の"昼であり夜であり…"という言葉はすばらしく胸を打つよ。一方、ヤコブもまた、突然登場した娘と、インドに残した息子同然の孤児プラモドとの間で葛藤する姿も、親子愛について考えさせてくれるぜ。一見あっけないように思えるラスト、プラモドの振る舞いはアナとの相似であり対比。親子関係のおもしろい見せ方だわ。

やたらと瞳のアップを抜くんだけど、これがまた心をつかむ。哀しい目、苦しい目、戸惑う目、そして愛する目。目は口ほどにものをいうとは言うけれど、こういう使い方もできるのだなぁと感心、感心。細かめのカット割りとか、映像の質感もよかったね。アナがどことなくオリエンタルなドールフェイスでかわいいのも観どころデス。美少女ラブ。

女性監督スサンネ・ビアは過去2作がハリウッドリメイク中だとか。そのうちの1本『ある愛の風景』(12月1日公開)も絶対観よっと。そのくらいセンス感じました。

てことで、世界中のオトン、もっとがんばれ〜!(この映画もがんばれ~)

<10月27日追記>
『ある愛の風景』も鑑賞。スゴイな、これも。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-21 00:00 | All-Star
2007年 09月 20日
感想_この道は母へとつづく
b0130850_22292670.jpg母を訪ねてロシアンサバイバル。『この道は母へとつづく』10月27日公開。ロシアの孤児院に暮らすワーニャは、裕福なイタリア人夫妻の養子になることに。ここではそれが幸福への片道切符。けど数日後、この孤児から養子に出たムーヒンの実母が現れ、涙ながらに我が子を捜す。ワーニャも、実の母の存在が気になりはじめ…。
映画「この道は母へとつづく/ITALIANETZ」公式サイト

話自体はどこにでもありそうなママ探しだけど、ワーニャを取り巻く環境はロシアの寒さ以上にシビア。孤児院は児童売買まがいの行為をするし、院の年長者を中心にした不良グループまで形成され、それが普通となって秩序だてられてる。どの子も薄幸オーラをまとい、それに抗うための歪んだ術を身につけてることが少ないシーンからも十分透かし出されてるんだわ。

そんな状況下でもやはり母性への憧憬って消えないんだなー。ママに会いたい一心で言葉を覚え、お金をひねり出し、院長を出し抜くワーニャのけなげさにやっぱ心を揺さぶられずにはいられんよ。やっかみで"イタリア野郎"なんていわれちゃうのもなんだかセツナイよ。

ストーリー展開はさすがにマンガちっくな都合よすぎる転がり方してくけど、やっぱりワーニャを味方せずにはいられない少年プチロードムービー。クライマックスのワーニャはかなり太いところ見せてくれるけど、それもまた彼らの護身術なのかと思うと複雑。そのままラストはまるで引っ張らない潔さ。これすら、感傷を挟ませる余地のない現状なのかとまで思ったわ。

普遍的な物語だけど、その背景と強く前を向く子供の成長に温まる1本。なんとなーく冬に観たかった気もすんね。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-20 00:00 | Starter
2007年 09月 19日
感想_スターダスト
b0130850_22272614.jpg鳥だ、飛行機だ、流れ星だ〜。『スターダスト』10月27日公開。ある夜、流れ星が地上にドロップ。トリスタンは想いを寄せる娘にその星を持ち帰ることを約束し、街を囲む壁の外へ。そこに広がる未知の世界で、王位継承を狙う王子、若返りを目論む魔女たちとの星屑バトルに巻き込まれてく〜。
スターダスト

って子供騙しもたいがいにしとけ!って感じのファンタジー。ファンタジー自体は全然嫌いじゃないのに、キャラクターに一切魅力がないので、まるで楽しくないわ。クソゲーやらされてる気分。星のプリンセスだかなんだか知らんけど世間知らず過ぎるというか、ただの頭弱い子みたいだし、クレア・デインズってあんま好きじゃないんだよなー(シエナのほうがカワイイじゃん)。あえてのオーバーアクトが鼻につくし。

話もやたら単純。プロローグで、エンディングが予想できてしまう超ありがちストーリー。笑わせようとしてるところもお寒い限りで、懸命なデ・ニーロ&ミシェル・ファイファーも報われないぜ。プレスに"実写版宮崎駿"なんて書いてあるけど(なぜか海外のコメント)、いったい何をもって…。全然違うような。。

純真キッズのために親子で観る分にはいいかもしれないけど、いい大人には観るに耐えないと思われ。宇宙の塵となってしまえ〜。
[PR]

by april_cinema | 2007-09-19 00:00 | IL
2007年 09月 18日
感想_ヴィーナス
b0130850_22214657.jpg老いてもギャルとからみたい! 『ヴィーナス』10月27日公開。老俳優モーリスは、友人イアンらと穏やかな日々。話題はもっぱら病気やら薬やら…。そんなある日、イアンの姪のジェシー登場。この娘ってば料理ダメ、わがまま放題の放蕩ムスメ。うんざりイアンをよそに、その若さと溌剌さにあてられたモーリス爺は、男の歓びを思い出す!
映画「ヴィーナス」公式サイト

老人とギャルという設定は突飛っちゃー突飛かもだけど、描かれてるのはリアルだわ。だからこそおかしみがあるヒューマンストーリー。老いてなお男として女性を求める姿は、一般論なら「みっともない」だけど、その情熱は応援したいよ。モーリスはあくまで紳士的だし、その誠実さはティーンのそれと変わらないように見えて、それを特例とするんじゃなく、オレもそうありたいと思わせてくれる。趣向は全然違うけれど、年食っても心は枯れねーぜ、て意味じゃ『世界最速のインディアン』に近いよ。ピーター・オトゥールの前髪が額に垂れかかる枯れっぷりがなんともいえず色っぽいわ~。

お相手役の新人ジョディ・ウィッテカーは、その垢抜けないカワイイんだかカワイくないんだかって感じがぴったり。ジェシーの田舎出らしい虚勢とか、弱さとかがよく出てて愛嬌あったよねー。若気の至りでオイタしちゃうところとか、"「トップショップ」に行きたい!"とかいっちゃうところとか、オッサン心をくすぐりますな。モーリスとも結局対等に付き合えちゃう純粋さも◎。

上品に笑えて、それでも最終的にはどうしても切なさを感じてしまう、ハートフルストーリー。年齢を超えた男と女の心の交流は、晩秋にオススメしたい1本。特にオトコノコは必見!
[PR]

by april_cinema | 2007-09-18 00:00 | All-Star