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2008年 04月 26日
感想_アイム・ノット・ゼア
b0130850_2324527.jpgアイキャン・ノット・アンダースタンド。『アイム・ノット・ゼア』4月26日公開。今なお多くのアーティストたちに影響を与え続ける、生ける伝説ボブ・ディラン。彼の生涯を6つのキャラクターに投影して6人の俳優たちが演じ分けた。ロックスターであり、牧師であり、映画スターでもあった彼の肖像を追いかける。
映画『アイム・ノット・ゼア』公式サイト

いやー、わからなかったなー。試みは面白いと思うし、意図してるであろうことも伝わってはくるんだけど、では果たしてボブ・ディランとは、となったときになかなか上手く応えられませぬ。でもまだまだ現役アーティストだもんね、それでいいのかも。言葉で語られでもしたら本人も納得いかないだろーし。知りたければディランを聴けばいいのか。

6つのキャラクターが入れ替わり立ち替わりって感じの構成で、特に混乱はしないけれど、それぞれのパートで描きたかったものを感じ取れるかどうかがこの映画の評価の分かれ目。最終的には、監督トッド・ヘインズの意図みたいなのもチラっと見えた気がするよ。でも、ディラン知識もまるでないオレには、なかなかハードル高し、でった。

時代的なリンクはもちろん、『ファクトリー・ガール』のイーディちゃん(ここではニコの名前)も登場。2本あわせて60sカルチャーに浸るのもアリでしょ。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | 6th-man
2008年 04月 26日
感想_ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
b0130850_22543951.jpg狂気! 鬼畜! 暗黒! 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』4月26日公開。1900年台初頭、金塊掘りだったダニエル・プレーンヴューは、石油を掘り当て富を成す。そんな折、ある男が、石油の情報を持って現れた。情報を買ったダニエルは息子のHWを連れ、早速現地へ向かう。そこには確かに石油が眠っていた。地元で信仰を集める牧師イーライとの確執を深めながらも、地上げをはじめるダニエル。奇才ポール・トーマス・アンダーソンが富と権力に塗れた彼の腐敗した人生を壮大に描く。
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

PTA監督大好きなオレですが、この超ダークサイドにはほとほと参ったぜ。なんとも筆舌に尽くし難いこの世界は、ホラーかと思うほどの狂気。ダニエルがオイルという名の黒い液体に塗れていく姿は、なんというか悪魔的! それをダニエル・デイ=ルイスがまたすんごい演技して魅せちゃうの。後半の物怪っぷりはこの世のものとは思えないほど! そもそもこの男には悪魔が宿っていたのか。それとも富と権力が彼を狂わせたのか。人間の奥底にこんな暗闇が潜んでいるのかと思うと、身悶えするわ。

それに対するポール・ダノ演じるイーライもヤバイ。牧師でありながら、そこには無垢さがまったく感じられず、常に嫉妬と欲望の陰が見え隠れ。ダニエルと同じドス黒い血を感じさせるんだよね。そしてそれらを包み込むロケーション。荒涼とした大地に緊張させる音楽、そして沸き上がる真っ黒な濁流! 燃え盛る業火!! 天の裁きか、悪魔の咆哮か、っつー世界には畏怖の念すら覚えますわ。

決してこんなのを期待していたわけじゃないけど、心の奥底にズサリと侵食してくるPTAワールド。絶対に娯楽としては観られないけど、いやはやスゴかったです。くわばら、くわばら。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | All-Star
2008年 04月 26日
感想_あの空をおぼえてる
b0130850_2255409.jpgこれじゃぁ泣けないわー。『あの空をおぼえてる』4月26日公開。幸せに暮らす一家を末娘・絵里奈の交通事故死という悲劇が襲う。自責の念に苛まれる父親。身重の体を抱えながら悲しみに耐える母親。そして一緒に事故にあいながらも一命を取り留めた兄、英治。それぞれの胸に残る絵里奈は、いつも笑っていた。
映画『あの空をおぼえてる』公式サイト

すんごく静かな物語。全編にわたってほとんど音を入れずに家族の姿を描いていて、絵里奈の死を受け入れられない前半はもう暗いのなんの。バランスを失う家族の、言葉にならない痛々しさが滲み出てくるんだよねー。きっと、絵里奈の不在は、音を亡くすことと同義なことだったんだと思う。

愛する家族の死という痛みは十二分にわかる。んだけど、そこから再生していく過程にはやや説得力が足りなかった。遺された3人がそれぞれの立場で受け止めてくんだけど、視点がバラバラで、かといって全体を俯瞰していたわけでもなく、しっくり落ちてこなかったのが残念。確かに実際にそういう状況におかれたとき、それを乗り越えるときに大げさなドラマがあるはずもないだろうけど、その割にはターニングポイントを迎えた瞬間一気に急転化しすぎて置いてかれたわ。もう少し再生への心の動きは時間をかけてほしかったです。丁寧なのに核が見えんかったです。

家族以外の周辺キャラがいまひとつ機能的じゃなかったし、後半のストーリー展開はやけにステレオタイプだったのも気になるところ。死は確かに悲しいから、周囲で鼻を啜る音が聞こえるのはわかるんだけど、深みには欠けたわね。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | Reserve
2008年 04月 26日
感想_砂時計
b0130850_22574765.jpg夏帆ちゃんの映画だったわ。『砂時計』4月26日公開。両親の離婚により、母とともに島根へやってきた中学生の杏。精神のバランスを崩していた母は、ほどなくして帰らぬ人となった。絶望する杏を支えたのは、同級生の大悟。2人は互いに想いあうが、杏は父に東京に呼び戻され、離ればなれとなる。
映画「砂時計」オフィシャルサイト

コミックと昼ドラ(ともに未見)が話題だったってことで、ちょっと胸に期待を抱いて鑑賞。いやいやさすが、昼ドラになりそうなどろり系のサイン出まくりでドキドキしたよ〜。主人公周りの関係値も典型的〜。嫉妬とかすれ違いとかさ、もう完璧に教科書通り! でもそこは2時間の尺の壁か、なかなか掘り下げきれなかった模様。藤くんのエピソードとか、なんとも宙ぶらりんの消化不良なわけです。

まあそれにしても、子供時代の純情きらりストレートな「スキ」とか「キス」とか、久しぶりに見せてもらって、なんだかムズかゆ楽しかったよ。夏帆ちゃん、カワイイし。がしかし、それに対して大人時代になってからの受け方がもうひとつ。そもそも時間配分がえらい短いし、再生物語にしても恋愛物語にしても、どっちつかずなまとめ方。映画独自色を出そうとした結果なのかしら。

良くも悪くも、はいはいはい、って感じのするベタ系恋ドラマ。男性にはちと面映いでさ。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | 6th-man
2008年 04月 26日
感想_さよなら。いつかわかること
b0130850_22583763.jpgええ話やなぁ。『さよなら。いつかわかること』4月26日公開。スタンレーの元に届いた、イラクで軍役についている妻の訃報。ショックを隠せず、2人の娘に母の死を伝えることが出来ないスタンレーは彼女たちを連れ、フロリダのテーマパークへとクルマを走らせる。まるで自分の動揺を紛らわせ、押し殺すかのように。
映画「さよなら。いつかわかること」オフィシャル・サイト

イラク戦争を背景にした、家族の深い愛情と悲しみ、そして再生の物語。ポイントは、戦死するのが妻であり母であるという点で、遺された夫をジョン・キューザックが好演。混乱しつつ、本人は事実をある程度受け止めながらも、娘たちへの伝え方を見出せない様子に深く深く感情移入。父親としての責任感よりも喪失感が勝って、ついナーバスになってしまう態度がなんともリアルで胸を揺さぶるんだなぁ。

戦争の在り方とか、自分のコンプレックスとか、バックグラウンドはいろいろ用意しながらも話を変に広げすぎず、85分の中身を父と娘2人に焦点を絞ったのが成功。シンプルな物語は、反戦映画であり、ロードムービーでもあるけど、家族愛というものが軸にしっかりと収まってるからブレることなくこちらに感動が届くね。新人だという娘っ子たちもよかったわよ。

「魔法の森」を抜け出した先でついに向き合い、見つめた現実。父娘たちの前に降ってわいた哀しみが一気に形を成し、カランと空白の中に落ちてきて、その音が心の中に響く気がして、胸が熱くなりました。ラストも感動的な良作映画。オススメできます。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | All-Star
2008年 04月 26日
感想_少林少女
b0130850_22592367.jpgあれ、ギャグじゃないんだ!? 『少林少女』4月26日公開。中国で3000日もの修行を終え、少林拳を日本に広めるべく帰国した桜沢凛。しかし故郷の道場は見る影もなくなっていた。かつての恩師である岩井を訪ねるも相手にされず、なぜかラクロスの助っ人を始めることに。そんな凛を見つめる黒い視線があった。
少林少女 SHAOLIN GIRL OFFICIAL BLOG [BLOG総本山]

『少林サッカー』さながらのCG×アクションギャグエンタメかと思っていたけれど、意外とギャグ要素は味付け程度で肩透かし。数の限られたギャグはしっかり滑ってました。まーなんといっても柴咲コウのカンフーアクションだよね。吹き替えなしでよくやったなー。カットの少ないシーンもあって、すっかりアクションヒロインもいける口になってます。うーん、ドラマに歌に映画に、よく働いててえらい!

それ以外、これといった特筆点はなく。どちらかといえば子供向けって感じの、がんばる少林少女のお話。ただ、CGラクロスがんばるガールズを見せたいのか、少林拳の精神性を見せたいのか、純粋にアクションを見せたいのか、多分全部なんだろうけど、もうひとつメリハリがなかったというか、ひとつひとつの掘り下げが甘かったような。せっかくならもう少しラクロスで押してほしかったけど、意外と少林拳とラクロスの相性がよくなくってね。少林拳て動作の流れの美しさがポイントだと思うので、ラクロスのスティックとボールを使う時点で、ちょっと制約が出過ぎたのだと思うぜ。『燃えピン』にもそれは言えたような。やっぱボディコンタクトしないと、カッコよさ&面白さが損なわれちゃうんだろね。となるとバスケか、やっぱ!?(『カンフーダンク』に期待!)

終わってみればやけに優等生な話で、箸にも棒にもかからず。もっとドカーンとふざけて、弾けてくれたほうが断然面白くなった企画でしょ、これは。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | Reserve
2008年 04月 26日
感想_スパイダーウィックの謎
b0130850_2301818.jpgこの妖精、気色悪っ! 『スパイダーウィックの謎』4月26日公開。長らく放置されていた叔母の家で暮らすことになったジャレッド一家。少年はある隠し部屋を発見し、そこで古い書物を目にする。それは彼の曾祖父スパイダーウィックによる妖精についての観察記だった。すると現れた書を守る妖精シンブルダックと、書を狙う無数のゴブリンたち! ジャレッド一家の運命は!?
映画『スパイダーウィックの謎』公式サイト

妖精系ファンタジーだっつーから、もう少し可愛らしいのかと思っていたら、けっこうグロテスク系の造形にまずビックリ。ドラクエのキャラデザをイメージしてたら、FFだった、って感じね、なんとなく。テンポよく話は進んでさっくり90分だし、なんにも難しいことはないからすんなり世界に入れちゃう。がしかし裏を返せば、スケールが小さくて世界観の広がりはあんまりないってこと。基本はこの屋敷の周辺で起きることだからね、ドラクエ3でいえばアリアハン止まりってことですわ。その辺、大人が楽しむにはちょっぴしモノ足りんかも。なんせ敵のほとんどがゴブリン。そのスケール、推して知るべしってか。

この映画のポイントは、モンスター退治の大冒険じゃなくって、信じる心の大切さ。妖精は目に見えない存在で、ジャレッドたちも魔法の力でその存在を確認。しかしそんなもの信じるはずもないマザーには、説明してもなんのこっちゃかわからない。そもそもこの一家には不協和音が響いていて、お互いを信頼していないところから話がスタート。妖精の存在を通して、身近な存在を信頼することと、目に見えない存在(妖精から、人の気持ちまで)を信じること、を掛け合わせてメッセージしてくれます。このへんが原作がベストセラーたるゆえんだろね。

フレディ君は兄弟2役を演じ切って芸達者っぷりを披露。髪型でキャラを変えつつ、まだまだ愛嬌あるお年頃ですわ。まあやっぱり大人が観るにはちょっと物足りなさを感じるけど、深すぎず重すぎず、サラリと楽しめる類いではありますな。『ライラ』以上、『テラビシア』未満て感じ。
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by april_cinema | 2008-04-26 00:00 | 6th-man
2008年 04月 19日
感想_ファクトリー・ガール
b0130850_22441783.jpgいたたまれないっつーの。『ファクトリー・ガール』4月19日公開。1960年台、ポップカルチャーの旗手としての注目を一身に集めていたアンディ・ウォーホル。彼の前に1人の女性が現れた。その名はイーディ・セジウィック。名家の娘で画家志望の彼女に一目で惚れ込んだアンディに導かれ、彼の「ファクトリー」を訪れたイーディはその輝きで世間をも魅了する。映画出演、パーティ三昧、アンディとの蜜月、そしてボブ・ディランとの出会い…。しかしミューズとしての時間はあまりにも短かった。
Factory Girl - ファクトリー・ガール -

壮絶にすぎる短命だわ。お初にお目にかかるイーディさんは、『ベティ・ペイジ』的な美人薄命系伝記映画。60年代の空気をまとって登場するファッション、アートカルチャー、そして特徴的メイクはおしゃれ感上々なんです。が、あんまりにも破滅色が強いもんだから感情移入しづらいのなんの。しかもドラッグで身を持ち崩すってのもなんともやりきれません。時代が時代だから仕方ないというか、それが事実なんだからどうしようもないだろーけど。複雑な背景ももちろん重要とはいえ、もっと周囲を虜にしたイーディの魅力を全開に見せてほしかったなぁ。そのほうが後半の凋落っぷりもより際立っただろうに。

がしかし写真で見る限りイーディ本人はすばらしくチャーミング。キュート。21世紀を生きるオレが見ても魅力的。やっぱこっちのポジ面もしっかり見せてほしかったぜ。そしてシエナはメイクで似せようとした結果、シエナ本来の魅力半減? そっくりさん度合いは妥協していいから、純粋にシエナ活かしの魅力アップに力を入れてほしかったなー。

とまあ悲しいお話ですが、直接知らない60'sカルチャーに触れるのもオツなもの。ボブ・ディランやヴェルヴェット・アンダーグラウンド、そしてウォーホルそのものまで、改めて興味がわきましたわ。
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by april_cinema | 2008-04-19 00:00 | Reserve
2008年 04月 19日
感想_ラフマニノフ ある愛の調べ
b0130850_2252312.jpgサラっとしてたなぁ。『ラフマニノフ ある愛の調べ』4月19日公開。NYでの初コンサートが大盛況に終わったピアノ演奏家ラフマニノフ。しかし成功の影で彼は、新しい曲が作れない苦悩を抱えていた。そこに届いたのは差出人不明のライラックの花束。思い出の花に蘇る故郷と過去の記憶。20世紀を代表する音楽家ラフマニノフの生涯と、彼を支えた愛の物語。
映画『ラフマニノフ ある愛の調べ』公式ホームページ

時制シャフリング方式なので最初は戸惑いつつ、話はクルクルと展開していくんだけど、けっこうひとつひとつがあっさりしてたなー。さすがに説明不足ともいえる気がするんよ。あんま多くを語りすぎずに情感をあおろうとしたのかもしれないけど、逆に深入りできなかったっすわ。

アンナとの恋はまだしも、マリアンナへの気持ちってのはどうも深みに欠けたような気がして、もちろん人生の転機のひとつではあったんだろうけど、ラフマニノフ自身の感情の昂りがあんま伝わらんかったわ。結局ラフマニノフがどんな人物だったのかも、もうひとつ掴み切れないまま(そしてあんまし好きになれなかった)。まあ混迷の時代ゆえの波乱含み人生や、美談といえる落としどころには収まってたんで後味は悪くないですがね。

世界一の難曲を生み出し、弾きこなしたという天才音楽家。もうちょっとその人物像を詳細に知りたかったッス。
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by april_cinema | 2008-04-19 00:00 | Reserve
2008年 04月 19日
感想_譜めくりの女
b0130850_22565061.jpgニヤリとしちゃうぜ。『譜めくりの女』4月26日公開。緊張しながらもピアノの試験に臨んだ少女メラニー。本番中、審査員の不躾な態度に動揺したメラニーは、途中で演奏を中断してしまう。時は流れ、成長したメラニーはある弁護士事務所の実習生となり、先生のご子息の子守りをすることに。弁護士の妻は、かつてのピアノ審査員だった。
映画「譜めくりの女」公式サイト

前情報ナシで臨んだのでまさかこんな物語だったとはねー。オープニングで登場するメラニーの少女時代からして、なぜだか緊張感が漂っていて、そのテンションを90分弱保ち続けた映画だったわ。観終わって思うに、この少女時代の描写は秀逸だったよ。どこか危うい少女。少女の家業。演奏家の本番前の性質。そして糸が切れたときのメラニーの行動。なかなか計算されつつ、それをそうとは悟らせなくて唸らされるぜ。

中盤以降もはっきりとはしないメラニーの思考と行動。最小限のセリフと、バックに流れるピアノのメロディで、表現されたもの以上の感情を訴えかけてくる。うわー、これヤベーなーという、軽めながらも目が離せない拘束力。子供への仕打ちとか、チェロ奏者への攻撃とか、小さいことからコツコツと恐怖を植え付けるんだよね。まあ緻密な行動ではないから、ツッコミどころはあるっちゃあるけど、そこがまたメラニーの生身っぽさを感じさせるよね。この譜めくり女の負のオーラをご堪能あれ。

あ、なぜか謎のアニメ雑誌らしきものがチラリ。監督、日本フリーク?
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by april_cinema | 2008-04-19 00:00 | 6th-man