<   2014年 02月 ( 11 )   > この月の画像一覧

2014年 02月 28日
感想_ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
b0130850_1221949.gif良い話だけど既視感。『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』2月28日公開。「あなたは100万ドルが当選しました」という絶対嘘でしょなDMを真に受けたウディ。彼は隣の週のネブラスカまで歩いて行こうとしては警察に保護されていた。見かねた息子のデイビッドは再三説得するが、少しボケ始めてもいるウディは聞く耳を持たない。仕方なくデイビッドは父の気のすむよう、一緒に車でネブラスカへと向かう。途中、父がかつて暮らしていた街では旧友や親戚たちと再会すると、父は100万ドルを取りに行くことを口にしてしまう。奇異の目にさらされながら、ふたりはネブラスカをめざすが…。
映画『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』公式サイト

賞レースをにぎわせている家族のヒューマンドラマ。名匠アレクサンダー・ペイン監督の最新作は、モノクロで撮られてます。観る前はちょっと抵抗あったけど、始まってみたら全然気にならなかったわ。でもカラーのほうがいいような気が、僕はしちゃいますがそんなのは知ったこっちゃないでしょう。

さて、話としては珍道中の中で、父の過去を知り、親子のきずなを取り戻して行く、というフレーム。そういう話は過去にもいろいろあったから、新鮮味が感じにくいってのはあったかなー。特別キャラクターがぶっ飛んでいるわけでもないのがよさで、田舎町のごく普通の家族をちょっぴりユーモラスに温かく描いてます。ウディはまだ元気だけど、ちょっとボケ始めてる感じだし(そういう説明はないけど)、彼が酒におぼれた理由も子供からしたらちょっと胸の痛い真実。かと思えば奥さんは元気な毒舌家で、彼女の助演女優賞ノミネートはぜひ応援したいね。あとやっぱ従弟のダメ双子か。あのシュールなデブには笑わせてもらったよ。

がしかし、ラストはすごくよかったな。ウディがどうしてもほしかったトラック。彼は誇りを取り戻したかったんじゃないだろうか。父として、男としての威厳と誇り。それをアシストするデイビッド。なんとも後味のいい終わり方で、爽やかな気持ちで席を立てました。ただじゃ終わらない、さすがは名監督と言われるだけあるわ。
[PR]

by april_cinema | 2014-02-28 00:00 | All-Star
2014年 02月 22日
感想_ダラス・バイヤーズクラブ
b0130850_12132689.gifめっちゃ惚れたでー! 『ダラス・バイヤーズクラブ』2月25日公開。80年代、ダラスで自由気ままに行きてきたロンだが、最近体の調子がおかしい。病院で検査を受けると、HIVへの感染と余命30日を告げられる。にわかには信じ難かったが、エイズについて調べ始め、新薬の存在を知る。病院で、その新薬を自分に使うように言うも、まだ認可が下りていない。が、ロンは裏ルートから新薬を入手。さらに、アメリカでは使用が認められていない薬を求めてメキシコへ。やがて、自分と同じような感染者たちを相手に、無認可の薬を提供し始める。
映画「ダラス・バイヤーズクラブ」公式サイト

うおー、超格好良かったー! 主演のマシュー・マコノヒーがヤバイって話は聞いてて、期待してたけどそれを上回るデキ。ひとりの男の生き様が、結果的に一定の人々を救ったというヒーローの姿なんだけど、決して美談なだけでもなく、感傷に浸るだけでもなく、その描き方が絶妙にクール。マシューに惚れざるをえないわこれ!!

てか、限られた説明なのに、豊かに人物を描けているのがすごい。ロンは独学で薬の知識を仕入れ、みずからの体でその効果を証明していったわけだけど、彼の電気技師としての理系的な頭が薬学にも通じたと受け取れるし、冒頭で不法労働者が事故ったときも的確に救急車を呼べって言ったりしてそのあたりの冷静な判断力とかも、命への感覚つーかそういうものを見せていたと思う。出てこない父との関係も、母の絵のエピソードも、最小限の語りで人物像をあぶるのが見事。そしてそれは、レイヨンにしても、イヴにしても同様。光の当たり方はロンに比べたらはるかに少ないけど、それでも十分に背景が理解できるので物語が豊かになってったわ。

いやーそれにしてもそんなロンを体現したマシュー・マコノヒー、格好よかったね。激やせした体作りもすごければ、最後までカウボーイハットを手放さないテキサス男の魂もお見事。体のためにドラッグを断ち、理性をもって女も断ち、断固として医療の規制と戦い、裏道もさんざん通りながら燃やした命の炎に、胸をわしづかまれた気分ですよ。お前は命の重さわかってんのか?って。ぜひアカデミー賞主演男優賞とってほしい!(←穫った!) ジャレッド・レトの助演男優賞(←これも穫った!!)は僕的にはそこまでインパクトなかったんだけどね。

憶測だけど、80年代はまだエイズの知識が少なかったと思われるし、そこからくる偏見もすごかっただろうことは窺い知れたし、同性愛への理解も今とは比べ物にならないほど低かったんじゃないかと思う。レイヨンはロンに恋していただろうか。ロンはイヴに惚れてただろうか。そういう含みを持たせた微妙な人間関係もすばらしかったな。でも安易に愛だ恋だに降らなかったのもスマート。なにげに東京、アムス、イスラエルとかに飛んだりするのもテンポのいい展開力だったし、2時間あっという間でした。監督の手腕も見事だと思います。

ということで、オスカー関連ではなにげにこの作品が僕のベスト。観て損はさせないよ!
[PR]

by april_cinema | 2014-02-22 00:00 | MVP
2014年 02月 22日
感想_ドストエフスキーと愛に生きる
b0130850_12181295.gifあんまりドストエフスキー関係ない。『ドストエフスキーと愛に生きる』2月25日公開。ドイツ在住のスヴェトラーナは84歳にして現役の翻訳家。古い家に暮らしながら、文学を翻訳し続ける。彼女は戦中にウクライナからやってきた移民だったが、今回60年ぶりにキエフを訪ねることに。孫のアンナと、過去をめぐる旅。彼女の数奇な運命をとらえたドキュメンタリー作品。
映画『ドストエフスキーと愛に生きる』公式サイト

うむ、タイトルほどドストエフスキーに重きがあるわけではなく、あくまでスヴェトラーナさんの半生に迫ったドキュメンタリーでした。序盤は、彼女の今の暮らしぶりが描かれ、中盤からはキエフを訪ね、過去を掘り起こしながら彼女に何が起こったのかが語られるというスタイル。そのあたり、先入観とギャップがあったけれど、なかなか知り得ない歴史だったな。

戦中、まだ15歳とかの少女だったスヴェトラーナさん。父親はスターリンの粛正で捉えられたり、キエフがドイツ軍に占領されユダヤ人の大虐殺を目の当たりにしたり、相当な悲劇を経験している。さらにドイツ語ができたため、上官の通訳を務めたり、母親はそこで家政婦になったり。それがあったからこそ生き残れたというなんともつらい運命。

戦争の影にはそんなこともあったんだな、という人生。でもさすが文学と向き合って来た人だけあって、ぽろりぽろりと宝石のような言葉が飛び出したり。テキストとテキスタイルは同じ語源。どちらも糸を正しく編むことが必要だとかね。ああ、ドストエフスキーをちゃんと読まないとなぁ。
[PR]

by april_cinema | 2014-02-22 00:00 | Starter
2014年 02月 22日
感想_キック・アス ジャスティス・フォーエバー
b0130850_12192023.gif全然オタクっぽくない!(怒) 『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』2月22日公開。本物のヒーローになるべくデイヴは、ヒットガールことミンディとトレーニングを始める。しかし、ミンディは普通の幸せを見つけてほしいと保護者に言われたことで、ヒットガールを封印してしまう。そんな中、レッドミストことクリスは、スーパー悪人のマザーファッカーとなり、金で極悪人を集め、暴れ始めた。キックアスは、スターズアンドストライプ大佐らとヒーローチームを結成し立ち向かうが…!?
『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』2014.2.22 ROADSHOW

待ってました!!!!のキック・アス続編! 超〜〜楽しみにしてたんだけど、あれ? うーん。。。面白いけどなんか違う。。簡単に言うとメジャーになっちまったな。。。って感じ。いや、前作同様に突然残虐が出て来たり、バカなギャグや下ネタだって出てくるんだよ。だけど、だけど、デイヴもミンディもなんか普通になっちゃったんだよね! デイヴにもはやオタク臭は皆無だし、ミンディの"なんだこの寡黙でキュートなのにやること凄過ぎ"感もなくなっちゃった。もっともっとニッチでマニアックなほうがよかったんだけどなー。

正統なアクション映画になっていくんだったら、それならそれでラストのバトルはもっともっと盛り上げてくれてもよかったと思う。せめてヒットガールとマザーロシアはもっともっともっともっとド派手にできたんじゃないすかね。アドレナリン注入の流れはよかったけど、そっからの破片ぶっさしまくりはゲームばりにCGぐわんぐわん効かせて誇張しまくっても面白かったと思うけど。ヒットガールのSっぽさももっと出せただろうし。

でもま、クロエをたっぷり拝めて、Gleeバージョンも観れたし、森でだまされたときは『キャリー』パロディ?みたいなのもあったし、そのあたりは満足です。アーロン・ジョンソン君もすっかりイケメン化して、最後はむきむきボディになっちゃったりして、どうやら三部作って噂だから、最後どうなるのかを楽しみに待つことにしますか。
[PR]

by april_cinema | 2014-02-22 00:00 | Starter
2014年 02月 15日
感想_大統領の執事の涙
b0130850_1262960.gif重層的でグッとくる〜。『大統領の執事の涙』2月15日公開。南部の農園で生まれた黒人のセシルは、幼くして父を亡くし母は正気を失った。差別の色濃い環境を飛び出した彼は、縁にも恵まれバーテンダーになり、そこからホテル執事の職を得、やがてホワイトハウスの執事として登用される。時代は1950年代、アイゼンハワー大統領の時。しかし成長した息子のルイスは、過激な解放運動へと走り始める。激動のアメリカを、大統領執事として見て来たセシル一家の物語。
映画『大統領の執事の涙』公式サイト

近代アメリカの黒人史を、ある一家の目を通してとらえた物語。これ、実話ベースだそうで、実際に執事として8人の大統領に仕えた人物がいたそうだ。すげーなー。話は彼の個人的なストーリーかと思いきや、彼の職場でのエピソードはそんなに多くなくて、あくまで時代のくさび的に打ち込まれている印象。むしろルイスの活動とそれを見守る父親としてのセシルにスポットが当てられていく。

この父と息子のコントラストが印象深くてね。父は、白人社会の中でいかにして生き抜いて行くか、幼少時の被差別的な暮らしからどう距離を置くかを考え、家族を守るために戦って来た。息子が生きた時代はそれよし少し進んだ時代。黒人たちが立ち上がり、全面的な差別の撤廃へと大きく社会が動き始めたところ。シットイン運動や、フリーダムライダーズ運動ってのは初めて知ったし、キング牧師、JFK、マルコムXなどが出てくるのは、アイコンとしてわかりやすかったわ。セシルもルイスも結局は同じ血を引いていた。彼らは、父と同じような選択をしたくないと思っただけなのだ。そして彼らが目指していたのはともに、平等な社会だったのだ。最後、セシルがパーティで見た景色というのは強く印象に残りますね。差別って、こうやって人の目を曇らせていくんだなって。

主演のフォレスト・ウィテカーは役作りでこんなに痩せたんでしょうか? 奥さん役の人気司会者という女性も素敵でしたね。ルイスも格好よかったし。大統領たちがカメオ的にしか出てこなかったのはちょっと残念な気もしたけどまあ、物語の性質上仕方ないか。ラストはオバマで締まって美しかったですね。

娯楽作ではないけど、日本人にもわかりやすい物語。黒人差別の歴史を背景にした、父と子の物語であり、人間の尊厳の物語でもあります。じわじわと感動が腹に落ちてくる一作!
[PR]

by april_cinema | 2014-02-15 00:00 | All-Star
2014年 02月 15日
感想_17歳
b0130850_1291242.gifいろんな17歳がいますね。『17歳』2月15日公開。夏、イザベルは家族でのバカンス中に処女を捨て、17歳の誕生日を迎えた。秋、名門学校に通っている彼女は、ネットで知り合った男とホテルで会う約束をしていた。300ユーロで、彼女は体を売る。冬、行為の最中に相手の男が死んだことで、イザベルのしていたことが家族に知れる。困惑する母親。そしてイザベルは今、何を思うのか。
【公式サイト】『17歳』 | 2014年2月15日(土)、全国ロードショー!!!

ひとりの美少女を題材に、17歳という思春期を切り取ったフランソワ・オゾン最新作。うーん、見とれちゃったんだけど、でも内容はいまいちピンと来なかったんだよなー。17歳を問うにしてはイザベルは恵まれすぎてるんだよね。家は裕福で美しく、どうやらクラスでも一目置かれている風。優秀そうだしね。ただ、もしかしたら7年前に両親が離婚していることが影を落としているのかもしれないという解釈もありそうだったけど、本人が否定していた通りそういう単純なことでもなさそうで。

そのどんなにスペックが満たされていても、なにかが満たされない渇望感みたいなものこそが17歳って年齢なのかね。その発露の仕方は人それぞれで、イザベルは売春という形になったというだけのことで。そういうこともあるのかな、とは思うけど、圧倒的に共感できないわ。少なくとも俺の17歳にこういう要素はなかったな。弟君だってきっとこんなふうにはならないし。

でも、若さの美しさ、みたいなのはわかる気もするよ。理屈でも理性でもなく、感情ですらない衝動によって支配されているあの感じは、大人になってしまった人間にはどうやっても真似できないもの。ラスト、ジョルジュの奥さんが感じるそれは、嫉妬だったよね。圧倒的な若さと瑞々しさへの嫉妬。その感覚は『スプリング・ブレイカーズ』とも似てるかもね。フランスとアメリカの違いがこういうところで出たって考えると面白いわ。

とりあえず、主演女優ががっつり脱いでる1本。はたしてイザベルはどんな大人になるのか。いつか10年後を観てみたいとも思えたかな。
[PR]

by april_cinema | 2014-02-15 00:00 | Starter
2014年 02月 14日
感想_エヴァの告白
b0130850_125762.gifむやみに悲惨だな。『エヴァの告白』2月14日公開。1921年、ポーランドから移民船でNYへとやってきたエヴァ。しかし妹マグダは結核を疑われ隔離され、エヴァも船での素行に問題があったとされ送還されそうになる。そこにいたブルーノは彼女を見そめ、検査官に話をつけかくまう。しかしブルーノは移民の女たちを集め劇場で踊らせ、売春を斡旋する男だった。
映画『エヴァの告白』公式サイト

マリオン×ホアキン×ジェレミー・レナーで、この物悲しいタイトルに惹かれては観たものの、、、なんか途方もなく暗くて重い作品だったな。ほぼ救いようのない苦しいばかりでしんどかったわ。話の展開もなんだか乏しいし。

つまりはそういう時代だったってことなんだろうけど、第一次大戦中にヨーロッパから戦火を逃れてアメリカに渡って来た人って多かったんだろうな。希望を持ってくるけれど、アメリカもすべてを手放しで受け入れるはずもなく、移民たちは貧しい暮らしの中で生きるためには何でもやったんじゃないかと思われる。売春も横行していたような描かれ方だったし。エヴァに選択肢はなかっただろうし、ブルーノとオーランドにしても彼らもまた移民だったわけで。

といいつつ、キャラクターがやたらに極端だったな。エヴァは何も語らな過ぎて何考えてるかわからなすぎ。敬虔なカトリックというのも伝わったような伝わらないような。ブルーノの童貞っぷりも半端じゃなく、なにをあそこまでキレてるのか。オーランドもダメ男感丸出しだったもんなー。あれについてってもエヴァは絶対幸せになれないよ。あいつ絶対酒(禁酒法時代ですかね)か薬に溺れて女房殴りそうだもんな。

最後の最後に救いのかけらは見せたけど、それくらいじゃとても浮かばれないくらいに重かったです。マリオン嬢は依然美しかったけど、他の娼婦たちは乳さらしてたのに、マリオンだけは守られてたからなー。もんもん。
[PR]

by april_cinema | 2014-02-14 00:00 | 6th-man
2014年 02月 08日
感想_光にふれる
b0130850_1223156.gif美しき、きらめき。『光にふれる』2月8日公開。目が不自由ながら、ピアノの才能にあふれたユィシアン。しかし子供の頃のコンクールでの心の傷が彼に影を落としていた。親元を初めて離れ、台北の大学へと進んだユィシアン。慣れない寮生活なうえ、他の学生との壁を感じながらもなんとか前に進もうとする彼の前に、一人の少女シャオジエが現れる。ダンサーの夢を持ちながらもそれを叶える術のない彼女との距離を縮めながらふたりはそれぞれに壁を乗り越えようとし…。
映画「光にふれる」公式サイト

とにかく映像が繊細で美しい! かつての岩井俊二映画のようなやわらかさと、切なさと、かけがえのなさにあふれた瞬間たちだけで一杯飲めるな〜。目の不自由なユィシアンの世界を、うまく表現していると思います(もちろん、目が不自由な世界がどういうものか僕達にはわからないのだけど)。物理的な見える、見えないではなく、未来は誰も見えないということ。そして誰もが薄いもやのような、かすみのような、そんな気持ちを抱えて生きているということを表現していたように思います。青春だわー。

しかし惜しむらくは、キャラクターを活かしきれなかったことかな。もう少しユィシアンの日常を丁寧に描いてほしかったし、周辺との関係性も見せる余地があったと思う。同室の彼との交流はいかにして深められていったのか。級友たちとの関係ももう少しいろいろあったように思うし、先生との密度ももう少しほしかったかな。そこからユィシアンの中にあるいろんなものをもう少し観たかった。同じことがシャオジエにも言えて、彼女の境遇は果たして彼女の何を形作っているのか。そのあたりに立体感が加わると、ユィシアンとの融合にいっそう力強さが加わっただろうし、感動の度合いもはるかに高まったんじゃないかと思うのです。普通に考えたら、ユィシアンとシャオジエ、そんなに仲良くなんねーだろって感じ。

主演の方は実際に視覚障害を持つ天才音楽家だそうで、主演兼音楽も手がけたとか! すごい才能だな。てゆーか、出てくる女性がみな美人。シャオジエはフランス人と台湾人のハーフだそうで、ハセキョor一色紗英的なスーパー美人で惚れた〜。彼女の恋敵の子も一瞬しか出てこないけど可愛かったし、ユィシアンの先生も美人だったね。眼福〜。

クライマックスの演奏は、なんとなく『4分間のピアニスト』を思い出したんだよな。逆境を跳ね返す演奏。観る物の心を打つパフォーマンス。新人監督さんらしいけど、映像感覚はセンスあふれていると思います。脚本も決して悪くはなかったし、今後に期待!
[PR]

by april_cinema | 2014-02-08 00:00 | Starter
2014年 02月 08日
感想_ニシノユキヒコの恋と冒険
b0130850_1201839.gifとらえどころがないゆえに。『ニシノユキヒコの恋と冒険』2月8日公開。女性が望むことがなんとなくわかってしまうニシノユキヒコは、モテてモテて仕方がないけど、なかなか長続きがしない。しかしそんな彼も事故によって亡くなってしまった。生前の彼を知る女性が、彼をとりまいたあまたの女性たちとの恋の悲喜こもごもを語り始める。川上弘美原作、井口奈己監督の異色のラブファンタジー!
映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』公式サイト

『人セク』が好きすぎる井口監督の待望の新作! いやー持ち味を存分に発揮しておられましたよ。一応、前提はファンタジーなんだけど、究極のモテ男ニシノと美女たちとの掛け合いを、今回も覗き見るかのように親密に描いてくださいました。カメラを固定するときは真正面から。手持ちのときはより親密に。主観と客観が入り交じりながらのリアリティは、アドリブもたっぷりと聞いております。これアドリブかな?なんて想像しながら観るのも楽しいですぜ。

その中身を見ると、大人なムードたっぷりの麻生久美子に、ニャンニャンな感じが素に見える本田翼ちゃん、お堅いからこそイジらしい尾野真千子たんに、小悪魔成海璃子っち&優等生萌え木村文乃っち。で、新鋭中村ゆりかちゃんも初めましてだったけどカワイイ! いやーキャスト観てるだけで楽しいわ。竹野内さんもこのモテっぷりを嫌み無く演っててスゴイ。てか体鍛えてるんだなー。淑女のみなさん向けのサービスカットありますんでお楽しみに。

さて。この男女の恋模様で描かれているものとはなんなのか。それは誰もが抱えている淋しさなのかなーと最初に思ったな。女性陣はみんなそのキャラクターなりの淋しさを持っていて、ニシノはいつもそれに気付いて、それに相応しいやり方でその淋しさを埋めてくれる。寄り添ったり、けしかけたり、甘えたり。だけど、淋しさってのは一度埋めてもまたどこかで別の淋しさが生まれるようにできていて、人間て不便だなーと思うのだよね。ナウと名付けられたネコちゃんはそれとの暗喩的対比かもね。「ナウ」って名前が象徴的かも。過去と未来があるから人間は淋しくなる。今だけなら、淋しさを知らずにいられるのかもしれない。そしてこれ、女性たちだけじゃなくて、ニシノ自身が抱える淋しさでもあるんだよね。これだけモテても満たされないなにか。受け止めてもらえないなにか。

女性陣のキャラクターはバラバラだったけど、全員まとめてひとりの女性のような気もしたかな。強がったりするのも、甘えるのも、ツンデレしちゃうのも、みんなひとりの女性の姿。あーこのあたりは男女によって、年齢によって、てか観る人によって感じ方が全然違いそう。いろんな感想聞いてみたい。とらえどころがないゆえに、面白さが広がって行く感じ。来週、監督のトークイベント行くからそのあたり聞いてみようかしら。楽しみ!
[PR]

by april_cinema | 2014-02-08 00:00 | Starter
2014年 02月 07日
感想_RUSH プライドと友情
b0130850_11582386.gif勝敗を決めるのは、自分。『RUSH ラッシュ/プライドと友情』2月7日公開。荒々しくも天才的なドライビングテクニックを誇るジェームス・ハントと、緻密で冷静な判断で誰よりも巧みにコースを駆け抜けるニキ・ラウダ。F3時代に出会ったふたりは、舞台をF1に移して激しくしのぎを削る。1976年は、歴史に残るシリーズとなった。順調にポイントを重ね独走するニキ。しかしドイツGPで悲劇は起きる。
映画『ラッシュ/プライドと友情』公式サイト

こんなF1レーサーがいたなんて知らなった~。スゲー熱いレース、そして誇り高き映画でしたわ。どこから話していいかわかんないけど、まずはレースシーンの迫力をあげとこう。特別なギミックがあるわけではないけど、カメラアングル、カット割りからして興奮を高めてくれる。F3からF1、晴れのレースに雨のレース、それぞれのシチュエーションでめいっぱい盛り上げてくれます。もちろん、事件が起きるドイツGPも、クライマックスの日本GP(!)だって! F1に疎い僕のテンションもあがったぜーーー!

とにかく素晴らしかったのは、対照的なふたりのキャラクターを、光と影にわけることなく、ふたつの太陽として描いたこと。これがすごいよかったなー。それぞれのエピソードが交互に語られていくわけだけど、どっちにも感情移入できて、飽きることなく話が進んでいく。もちろんどっちのほうが好きかはわかれるだろうけど、でも相手を嫌いになることはなさそうな感じ。主人公と、そのライバル、という描き方じゃなくて、ふたりともエース、ふたりとも主人公なんですわ。これが実在のふたりなんだもんなー。まったく名前知らなかったよ。

で、ドラマの落としどころもお見事。あくなき勝利を追及するハントと、高みを目指しながらもリスクはリスクとして回避しようとするラウダ。勝利への価値観の違いは、そのまま人生観の違いでもありつつ、でもどっちがいいとかの線引きはできるもんじゃない。日本GPでのラウダも十分格好良かったと思うし、ハントのレース内容にも興奮したし。ただ直接戦うだけじゃない、火花の散らし方も燃えたよね。

ラウダの火傷だけは痛々しくて仕方なかったけど、あそこから見えたハントとの関係性も妬けるぜ。限りなく男臭い映画ではあるけど、素晴らしいヒューマンドラマ。ふたりの英雄に拍手を贈ります。
[PR]

by april_cinema | 2014-02-07 00:00 | MVP